「リフレクティング・チーム」のトム・アンデルセン,「コラボレイティヴ・セラピー」のハーレーン・アンダーソン,「ナラティヴ・セラピー」のマイケル・ホワイト。本書は,心理臨床・ソーシャルワーク領域で注目を集める「ナラティヴ・アプローチ」の三人の創始者たちが,フィンランド・ハメーンリンナで一堂に会した最初で最後のワークショップの記録である。「問題/治療」の脱構築を通して既存のセラピーが拠って立つ基盤に新たな光をなげかけ,協働的なプロセス/協働的な言語を追求してきた三人の“コラボレイショニスト”たち。来歴の披露,ケースの供覧,率直な議論,そしてリフレクションからなる《マスターズ》の貴重な饗宴を通して,「セラピスト」の新たな責任と倫理が浮上する。