発達障害は,近年社会的な認識の広まりとともに,大人になって初めて問題が表面化するケースが増加している。昭和大学附属烏山病院では2008年より成人期の発達障害専門外来・デイケアを開設,自閉症スペクトラム(ASD)を中心にプログラムを展開して支援を行ってきた。本プログラムは大人のASDが持つ知的能力を活かし,課題である対人技能,コミュニケーション技能の向上を補う。またピア・サポートを重視し,集団での実施を推奨する。本書はプログラムの有効性を繰り返し検証して完成させた発達障害の心理社会的支援における実践マニュアルである。ワークブックと併せ,多くの医療機関・支援機関の皆様にご活用いただきたい。