著者が世に問うた「初期統合失調症」という画期的な臨床単位は、最初の発表から四半世紀を過ぎた現在もまったく色あせることなく、統合失調症臨床の客観的診断基準としてその重要性は増すばかりである。一貫して臨床に裏打ちされた著者の批判精神を通してさらに深化・拡張したオリジナルの概念の全貌がいま明らかに。旧版をはるかに上回る内容量と、講義形式に刷新された記述スタイルは、「初期統合失調症」概念を基本から学びなおし、精神科臨床とはどうあるべきかを知るために最適である。著者が臨床経験のすべてを語りつくした総決算の書。