近年の「ひきこもり」問題は複合し,錯綜している。同じ当事者でも,場や関係により,その姿は一様ではなく,心のありようも微妙に変化し続ける。そうした当事者に,支援者は視点を移動させたり,関係者との連携の中でさまざまな情報を総合しながら考え,取り組むことが必要である。 相談室での一対一の面接方法にこだわるのではなく,支援者自身がいかにそこから自らを解放してものを考え,関わりのバリエーションをもつかが求められる。本書では,心理職として「ひきこもり」をどう理解し,アセスメントし,支援していくかを,予防・教育アプローチ,家族支援,コミュニティーワークなど援助技術各論を紹介し,課題も含めて詳述する。
投稿者名:san sato【投稿日:2017/12/25】
二度読んでかなり落胆か、これは私論の寄せ集めではないか。それが、この問題の多岐多様性と云えば、それも然りである。分担執筆者の合同勉強会が必要だったのでは・・・。 幅広い専門集団(≒100名)による『斎藤万比古ガイドライン』の3年に及ぶ検討過程をつぶさに見てきた我々の認識レベルから見れば、物足りない限りである。但し、近藤直司先生の章はデータに基ずく論理性がり、説得力がある。