わが国の国土面積の半分を占める積雪地は,厳しい自然環境とともにその多くが脆弱な産業基盤,過疎高齢化,貧困などさまざまな社会的なハンディも抱えている。積雪地で生きていくためには,雪のない地域以上に健康な生活習慣が実行されなくてはならない。体力づくりには,雪国の風土に適応し地域の発展課題に結合した理念に根ざし,科学的な根拠を踏まえた実践が必要である。
本書ではこうした観点に立って,体育・スポーツの専門領域だけでなく,雪氷学,地域医療,人間工学などの幅広い分野の研究者が具体的な考察を展開している。また共通の課題を抱えるカナダ・中国・ロシアの第一線の研究者が参画しているのも大きな特徴である。