本書は、人体の基本的構成単位である細胞から、組織 器官、そして、人体の機能とその異常を考えるという構成で編集されている。 最近、多くの疾患が遺伝子の異常で説明できるようになってきており、人の体の生理機能とその異常は、遺伝子との関係から考えることが重要となりつつある。これまでは、人体機能の基本的な構成系(神経系、筋骨格系、心血管系、腎臓排泄系、消化吸収系、呼吸器系、内分泌系、生殖器系など)に関係している、器官、細胞の機能を説明するという順序で書かれている書が多数を占めている。 本書は、遺伝学と発生学を基礎として、遺伝子、細胞レベルで各機能系を説明した後に、いわゆる各系の器官、組織、細胞の異常を、遺伝子レベルで説明、考察しており、これまでの生理学の教科書とは違った構成となっている。