目次
- 序章 身体論としての「どもる」
コントロールを外れた体
モンローもキャロルも角栄も
「どもる言葉」でなく「どもる体」
治るのか治らないのか
「うまくいかない」は二元論、他
第1章 あなたはなぜしゃべれるのか
「しんぶん」ってどう読む?
「ん」は準備している
マニュアル制御からオートマ制御に
発声器官のモーフィング
「かんだ(神田)さん」と「かただ(堅田)さん」
なぜ一語だとどもらないか
初音ミクはこうして吃音を克服した! 他
第2章 連発――タガが外れた体
tの三〇連打!
言葉の代わりに体が伝わってしまう
どもる自分に笑ってしまう
一か八かの「挑戦」
他人事感覚
「次、言えるかな」の手さぐり感、他
第3章 難発――緊張する体
連発から難発へのメカニズム
対処法としての症状
バグを避けようとしてフリーズする
連発は乖離、難発は拒絶
扉の鍵がない!
吃音スイッチ
逃れようのない期待の前で
なぜ独り言だとどもらないのか、他
第4章 言い換え――体を裏切る工夫
三単語先にあいつが来る
なかば自動の言い換え
類語辞典系と国語辞典系の言い換え
自分の名前でモジモジ
音読は奴隷の仕事!
ドッグトレーナーと犬
言い換え自体に意味がある、他
第5章 ノる――なぜ歌うときはどもらないのか
衝撃のバリバラ、ラストシーン
「刻む」には「待ち」が必要
リズムとは「新しくなく」すること
不確実性減少装置としてのリズム
運動の部分的アウトソーシング
韻を踏むたび外に連れ出される
「波づくり」の作業
別人のような音読
パターンの使用としての演技
「ノる」とは「降りる」こと
自己から「匿名態」への移行、他
第6章 乗っ取られる――工夫の逆襲
なぜ実生活では使えないのか
いつの間にか自分が犬になっている
「うまくいく方法」が「私」を乗っ取る
二重スパイ
乗っ取りからの決別
どもれるようになるまで、他
第7章 ゆらぎのある私
「生理的エラー」と「工夫の誤作動」
工夫→乗っ取り→自動化
言い換え警戒派と言い換え共存派
思考はしゃべると同時にわくものだ
運動が運動を生み出す次元
体との関係が変質するプロセス
吃音という謎とともに生きる、他