臍ヘルニアをはじめ,臍帯ヘルニア,臍腸管遺残,尿膜管遺残,臍の炎症,腹壁破裂など,小児の臍疾患は多種・多様である。治療対象として稀な疾患が多いなかで,臍に関連した疾患は発症頻度が高く,小児外科医にとってはその治療に精通することは必須で,それだけ「臍」は重要と言える。また治療の対象としてだけでなく,腹腔内への侵入路としても臍は重要である。腹腔鏡手術での臍へのポート設置,整容性に優れた臍からの開腹手術など,臍を活用した手術の修得も小児外科医にとって必要となる。本書は「臍疾患の治療」から「臍を利用した手術」まで,小児外科の臍の臨床をまとめた小児外科医必携の一冊である。