本書はスポーツ外傷・障害に対するアプローチについて理学療法学の観点から解説した書籍である。初版からの改訂にあたって2部構成とし,新たに1章として「スポーツ医学の基礎知識・基本手技」を設け,コンディショニングや応急処置などあらゆるスポーツに共通する内容を盛り込んだ。2章では野球,サッカー,陸上競技など主要なスポーツ種目を挙げて項目を構成している。さらに,障害者スポーツのうち,視覚障害と車椅子テニスを新規項目として追加している。スポーツ外傷・障害は,スポーツ特有の動作が受傷機転となることが多いため,スポーツでどのような動きが行われているのかを理解する必要がある。本書では各種目の基礎・特徴を紹介したうえで,スポーツ外傷・障害の発生原因について解説し,受傷から競技復帰までの具体的なアプローチを提示している。また,スポーツ動作の特徴的な瞬間を解剖図で表現し,動作に関与する筋・関節・靱帯や負荷のかかる部位についてビジュアル化している。