昨今の医療事情は惨憺たるもので、著者が求めている全人的な視点を持つ医師、医療機関は極めて不十分と言わざるを得ないのが現状です。心療内科と標榜する医療機関は増えましたが、その9割以上は全人的ではありません。著者の理解では、心療内科は患者さんを生物学的・心理学的・社会学的・実存的な面から診察し、身体科(内科)的・精神科的・東洋医学的・心理療法的に治療する科です。実際に、さまざまな組み合わせで治療することで、劇的に改善する例を多く経験するようになりました。著者はこの全人的医療こそが究極の医療と考えています。本書でそれを余すことなくお伝えしています。