遺伝性腫瘍ハンドブック

出版社: 金原出版
著者:
発行日: 2019-06-15
分野: 臨床医学:一般  >  癌/腫瘍一般
ISBN: 9784307203975
書籍・雑誌
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4,180 円(税込)

商品紹介

今まさに全盛期を迎えている“がんゲノム医療”。遺伝性腫瘍の理解は、二次的所見として診断される遺伝性腫瘍も含め、今日のがん診療においては極めて重要である。本書は研修ツールとして好評を得ている教育サイト「遺伝性腫瘍e-Learning」を書籍化。共通編4項目(遺伝性腫瘍概論ほか)、疾患編8疾患(Lynch症候群ほか)を通して、遺伝性腫瘍の基礎から疾患の要点まで、講義形式でビジュアルに解説した。

目次

  • 「遺伝性腫瘍e-Learning」との連携 ~より学習を進めるために~

    ――I 共通編――
    第1章 遺伝性腫瘍概論
    補足編 遺伝子の基本構造と疾病の分子遺伝学的背景
     1 細胞と染色体DNA
     2 染色体DNAのさまざまな状態
     3 細胞周期と染色体DNA
     4 DNAの構造
     5 遺伝子の構造
     6 遺伝子変異と遺伝子機能の変化

    本編 腫瘍発生の分子遺伝学的基礎と遺伝性腫瘍
     1 発がんの多段階遺伝子変化説
     2 がん遺伝子とがん抑制遺伝子 (1)
     3 DNA 変化からみたがんの原因
     4 遺伝子変異と遺伝子機能の変化:がん遺伝子
     5 遺伝子変異と遺伝子機能の変化:がん抑制遺伝子
     6 がん遺伝子とがん抑制遺伝子 (2)
     7 ヒト腫瘍にみられるゲノム変化と階層構造
     8 遺伝性腫瘍の遺伝学的基礎
     9 遺伝子変異の遺伝と疾患の遺伝形式
     10 遺伝性腫瘍性疾患の責任遺伝子

    第2章 家系情報の聴き取り
     1 聴き取りの目的と意義
     2 聴き取りのポイント
     3 家系図の描き方
     4 実際の家系図(例)

    第3章 遺伝カウンセリング
     1「遺伝カウンセリング」とは
     2 遺伝カウンセリングの提供が考えられる場面(腫瘍領域の場合)
     3 遺伝カウンセリングの意義
     4 遺伝カウンセリングで扱う内容
     5 遺伝情報の特徴~遺伝情報を慎重に扱うのは?
     6 遺伝性疾患の特殊性
     7 遺伝カウンセリング担当者に求められる姿勢
     8 遺伝カウンセリングの内容(1) 個人・家族の病歴の収集(家系情報の聴き取り)
     9 遺伝カウンセリングの内容(2) リスク評価、遺伝性腫瘍の鑑別
     10 遺伝カウンセリングの内容(3) 遺伝学的検査適応の判断
     11 遺伝カウンセリングの内容(4) 遺伝学的検査前の説明・同意の取得
     12 遺伝カウンセリングの内容(5) 遺伝学的検査の結果の開示
     13 遺伝カウンセリングの内容(6) 心理社会的アセスメント、心理社会的支援

    第4章 遺伝学的検査
     1 遺伝子関連検査の分類と定義
     2 遺伝性腫瘍における遺伝学的検査の手順
     3 代表的な遺伝性腫瘍とその原因遺伝子・臨床像
     4 遺伝学的検査時に提供すべき情報
     5 遺伝学的検査を利用する際に注意が必要なこと
     6 遺伝性腫瘍が疑われたときに実施する遺伝学的検査
     7 遺伝学的検査に用いる物質(DNA, RNA, タンパク質)
     8 遺伝学的検査 (1)サンガーシークエンス法 (2)NGS法
     9 次世代シークエンサーを用いたリシークエンス
     10 ゲノム情報単位とおもな遺伝子解析技術
     11 MLPA法
     12 染色体検査(RB1遺伝子[13q14.2]の例)
     13 NGSの出力データから報告書まで
     14 バリアントの5段階分類
     15 遺伝性腫瘍原因遺伝子パネル検査結果報告書
     16 バリアント評価時の参照サイト例
     17 遺伝学的検査の結果解釈

    ――II 疾患編――
    第5章 遺伝性乳がん卵巣がん症候群
     1 乳がん、卵巣がんの発症に関わる遺伝子
     2 BRCA1/2
     3 BRCA1、BRCA2遺伝子の病的バリアント保有率
     4 本邦乳がん患者における遺伝性乳がん関連遺伝子の大規模解析
     5 乳がん発症リスク
     6 卵巣がん発症リスク
     7 BRCA1/2遺伝学的検査基準
     8 BRCA1/2病的バリアント保有者の対策
     9 サーベイランス―乳房MRIの意義
     10 リスク低減手術の生存率への影響
     11 PARP阻害薬による合成致死誘導
     12 SOLO2/ENGOT-Ov21
     13 OlympiAD試験(PhaseIII)

    第6章 リンチ症候群
     1 遺伝性大腸がん
     2 リンチ症候群の歴史
     3 リンチ症候群の概要
     4 原因遺伝子:DNAミスマッチ修復遺伝子
     5 ミスマッチ修復機構の機能不全
     6 大腸がん症例からリンチ症候群を診断する流れ
     7 大腸がんから拾い上げる基準
     8 ミスマッチ修復タンパクの免疫組織化学染色(Immunohistochemistry:IHC)検査
     9 ミスマッチ修復遺伝子の種類による関連がんの累積リスク
     10 サーベイランス
     11 リスク低減手術
     12 薬物治療・化学予防

    第7章 家族性大腸腺腫症
     1 FAPの歴史
     2 FAPの特徴
     3 FAPの主な随伴病変
     4 FAPにおける大腸外随伴病変
     5 FAPの診断
     6 鑑別を要する疾患・病態
     7 FAP診断のフローチャート
     8 FAPに対する術式
     9 FAPに対する予防的大腸切除の術式選択
     10 FAPに対する大腸切除後の残存直腸と主な随伴病変に対するサーベイランス
     11 FAPに対する化学予防

    第8章 リ・フラウメニ症候群
     1 特徴
     2 原因遺伝子
     3 歴史
     4 Liの古典的診断基準
     5 診断クライテリアの変遷
     6 ChompretのTP53検査基準
     7 TP53遺伝学的検査の適応
     8 腫瘍スペクトラム
     9 浸透率
     10 表現型と遺伝型の相関
     11 サーベイランス
     12 予防と治療
     13 遺伝カウンセリング

    第9章 遺伝性網膜芽細胞腫
     1 疾患の歴史
     2 疾患の特徴
     3 原因遺伝子
     4 遺伝性網膜芽細胞腫
     5 治療
     6 遺伝学的検査とサーベイランス
     7 本人および家族における病的バリアント保有リスク(遺伝学的検査前)
     8 サーベイランス(二次がん)

    第10章 多発性内分泌腫瘍症1型
     1 MEN1の歴史
     2 MEN1の関連病変
     3 MEN1の原因遺伝子:MEN1
     4 MEN1の診断基準
     5 MEN1の主要病変に伴う臨床症状
     6 MEN1遺伝学的検査の対象
     7 MEN1:原発性副甲状腺機能亢進症の治療方針
     8 MEN1:膵消化管神経内分泌腫瘍の治療方針
     9 MEN1:その他病変の治療方針
     10 MEN1のサーベイランス

    第11章 多発性内分泌腫瘍症2型
     1 MEN2の歴史
     2 MEN2(Multiple Endocrine Neoplasia type 2)
     3 甲状腺髄様がん
     4 甲状腺髄様がんにおける遺伝性と散発性の内訳
     5 MEN2に発生する疾病と生涯浸透率
     6 MEN2の診断基準
     7 甲状腺髄様がん診断治療に関するアルゴリズム
     8 RET遺伝子における病的バリアント存在部位は臨床病型と強く関連
     9 RET病的バリアントによるRETタンパクの変化
     10 RET遺伝子の病的バリアント存在部位とATAリスクレベル・構成疾患の頻度
     11 EUROMEN study groupによる20歳未満のコドン634変異を有する小児207例の解析
     12 MEN2のサーベイランス
     13 甲状腺髄様がんに対するRET遺伝学的検査の保険適用・自費診療の区別

    第12章 フォン・ヒッぺル・リンドウ病
     1 VHL病(症候群)
     2 歴史
     3 VHLタンパク質の機能と腫瘍の発症機構
     4 臨床診断基準
     5 発症する腫瘍の年齢と頻度
     6 各疾患の経過観察の開始時期と方法
     7 遺伝カウンセリング、遺伝学的検査
     8 中枢神経血管芽腫(小脳、延髄、脊髄)
     9 網膜血管腫
     10 腎細胞がん(淡明細胞型)
     11 褐色細胞腫
     12 膵神経内分泌腫瘍(嚢胞)

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