基礎分子遺伝学・ゲノム科学(電子書籍版)

出版社: 裳華房
著者:
発行日: 2018-11-01
分野: 基礎・関連科学  >  遺伝/遺伝子
ISBN: 9784785377472
電子書籍版: 2018-11-01 (ver.1.0)
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3,080 円(税込)

商品紹介

本書は,遺伝子研究の成果を,分子遺伝学の基礎からゲノム科学の応用まで,一貫した視点で解説した教科書である。

目次

  • 表紙
  • はじめに
  • 目次
  • 略語表
  • 図表のタイトル一覧
  • 第I部 基礎編 分子遺伝学のセントラルドグマ
  • 1章 遺伝学の基礎概念 - トンビはタカを生まない -
  • 1・1 遺伝子は「遺伝」だけでなく「発現」にも働く
  • 1・2 メンデルの「遺伝子」は数十年後に再発見された
  • 1・3 遺伝子の物質的実体は核酸である
  • 1・4 生命科学は, 物質→エネルギー→情報の順に展開した
  • 1・5 多くの細胞は 2 セットの遺伝情報をもつ
  • 1・6 遺伝子型と発現型は 1 対 1 対応しない
  • 1・7 メンデルの遺伝子モデルはメンデルの法則から逸脱する現象も扱える
  • 2章 核酸の構造とゲノムの構成 - 静と動のヤヌス神 -
  • 2・1 核酸はヌクレオチドが重合した高分子である
  • 2・2 DNA は安定で RNA は活発である
  • 2・3 遺伝子は内部構造も多数の連なりも一次元的である
  • 2・4 ヒトゲノムは核ゲノムとミトコンドリアゲノムからなる
  • 2・5 真核生物の染色体は DNA とともに同量のタンパク質からなる
  • 3章 複製 : DNAの生合成 - 生命 40 億年の連なり -
  • 3・1 DNA は半保存的に複製される
  • 3・2 DNA の重合反応には基質の他に鋳型とプライマーも必要である
  • 3・3 DNA ポリメラーゼは二機能酵素である
  • 3・4 生体内の DNA 複製には, その他の多様な酵素・タンパク質も働く
  • 3・4・1 開始
  • 3・4・2 伸長
  • 3・4・3 終結
  • 3・5 末端複製問題は細胞の寿命を左右する
  • 4章 損傷の修復と変異 - 過ちを改める勇気 -
  • 4・1 DNA 損傷の原因には化学物質・放射線・複製ミスなどがある
  • 4・2 DNA の変異には置換・欠失・挿入などの種類がある
  • 4・3 DNA の損傷は大小の多重なしくみで修復される
  • 4・3・1 直接的修復
  • 4・3・2 除去修復
  • 4・3・3 二本鎖 DNA の同時修復
  • 4・4 DNA 組換えは, 修復とも深く関係している
  • 5章 転写 : RNAの生合成 - 格納庫から路上ライブへ -
  • 5・1 核酸 2 種類の小さな化学的違いが大きな生物学的違いをもたらす
  • 5・2 転写の基本は複製と共通だが, 素早い生成に特化している
  • 5・2・1 開始
  • 5・2・2 伸長
  • 5・2・3 終結
  • 5・3 真核生物では, 転写のしくみに細菌と 5 つの違いがある
  • 5・4 真核生物の mRNA は 3 種類の加工を受けて成熟する
  • 5・4・1 5' 末端 : キャップ形成
  • 5・4・2 3' 末端 : ポリ A 尾部
  • 5・4・3 中間 : RNA スプライシング
  • 5・5 rRNA と tRNA は, 原核生物でも転写後に加工され成熟する
  • 6章 翻訳 : タンパク質の生合成 - 異なる言語の異文化体験 -
  • 6・1 塩基配列からアミノ酸配列への翻訳は, 遺伝暗号表に基づく
  • 6・2 tRNA は, コドンとアミノ酸を結びつけるアダプター分子である
  • 6・3 リボソームは, ポリペプチドを正確に合成する能動的な場である
  • 6・4 翻訳も開始・伸長・終結の 3 段階に分けられる
  • 6・4・1 開始
  • 6・4・2 伸長
  • 6・4・3 終結
  • 6・4・4 真核細胞での違い
  • 7章 転写調節 ( 基本を細菌で ) - デジタル制御の生命 -
  • 7・1 遺伝子の発現は主に転写の抑制と活性化で調節される
  • 7・2 ラクトース - オペロンはラクトースで活性化される
  • 7・3 トリプトファン - オペロンはトリプトファンで抑制される
  • 7・4 転写調節因子はヘリックスで主溝から塩基配列を識別する
  • (1) ヘリックス - ターン - ヘリックス ( helix - turn - helix, HTH )
  • (2) ホメオドメイン ( Homeodomain )
  • (3) 亜鉛フィンガー ( zinc finger ) など
  • (4) ロイシン - ジッパー ( leucine zipper )
  • (5) ヘリックス - ループ - ヘリックス ( helix - loop - helix, HLH )
  • 7・5 転写後にもタンパク質や RNA で発現調節するしくみがある
  • 7・5・1 シス作用の RNA : リボスイッチなど
  • 7・5・2 トランス作用の RNA : sRNA ( アンチセンス RNA )
  • 7・5・3 トランス作用のタンパク質
  • 第II部 応用編 ヒトゲノム科学への展開
  • 8章 発現調節 ( ヒトなど動物への拡張 ) - 複雑系の重層的秩序 -
  • 8・1 多細胞生物の発現調節は, 環境適応の他, 細胞分化でも重要である
  • 8・2 細胞の分化は, ゲノム情報が不変のまま, 発現パターンの変化で起こる
  • 8・3 真核生物では原核生物より転写調節のしくみが複雑である
  • 8・3・1 RNA ポリメラーゼ
  • 8・3・2 基本転写因子
  • 8・3・3 転写 ( 調節 ) 因子
  • 8・3・4 介在因子など
  • 8・3・5 クロマチン再構成複合体
  • 8・4 DNA やヒストンの化学修飾も大事な調節機構である
  • 8・4・1 ヒストンの化学修飾
  • 8・4・2 DNA のメチル化
  • 8・4・3 細菌の DNA 修飾
  • 9章 発生とエピジェネティクス - メッセージが作る身体 -
  • 9・1 動植物の発生は, 継承と分化のバランスで進む
  • 9・2 細胞どうしが盛んに信号物質をやり取りして発生が進行する
  • 9・2・1 RTK 経路
  • 9・2・2 TGFβ / Smad 経路
  • 9・2・3 Wnt / β - カテニン経路
  • 9・2・4 Hedgehog / Ci 経路
  • 9・2・5 Notch 経路
  • 9・3 哺乳類では, 初期胚の細胞の一部だけが成体になる
  • 9・4 動物の発生では, 細胞内外の信号分子の濃度勾配でボディプランが決まる
  • 9・5 エピジェネティクスは次世代の細胞に記憶を伝えるしくみ
  • 9・6 次世代個体への継代エピジェネティクスの例も報告されている
  • 10章 RNA の多様な働き - 小粒だがピリリと辛い -
  • 10・1 RNA は翻訳・触媒・調節・生体防御など多様に働く
  • 10・1・1 安定 RNA あるいは構造 RNA
  • 10・1・2 核内 RNA
  • 10・1・3 調節 RNA
  • 10・2 マイクロ RNA は mRNA の翻訳能と安定性を操作する
  • 10・3 生体防御に役立つ RNA 干渉は遺伝子工学の技術にも応用される
  • 10・4 パイ RNA は生殖系列でトランスポゾンに対抗する
  • 10・5 長鎖非翻訳 RNA は X 染色体不活性化をはじめさまざまに機能する
  • 10・6 クリスパー / キャス系はウイルスに対する細菌の適応免疫機構である
  • 10・7 クリスパー / キャス系はゲノム編集の最有力手法である
  • 11章 動く遺伝因子とウイルス - 越境するさすらいの吟遊詩人 -
  • 11・1 トランスポゾンはゲノム内を転位する DNA である
  • 11・1・1 DNA トランスポゾン ( DNA transposon )
  • 11・1・2 LTR 型レトロトランスポゾン ( LTR retrotransposon )
  • 11・1・3 非 LTR 型レトロトランスポゾン ( non - LTR retrotransposon )
  • 11・2 遺伝因子の移動現象はトランスポゾン以外にもいろいろある
  • 11・3 ウイルスは外殻や被膜をまとって細胞間を移動する遺伝因子
  • 11・3・1 ウイルスの構造と組成
  • 11・3・2 ウイルスの生活環
  • 11・4 ウイルスより単純な単一物質の自己複製体もある
  • 12章 ヒトゲノムの全体像 - ジャンクな余裕が未来を拓く -
  • 12・1 ヒトゲノムは 24 本の染色体とミトコンドリア DNA で構成される
  • 12・1・1 核ゲノム
  • 12・1・2 ミトコンドリアゲノム
  • 12・1・3 散在反復配列
  • 12・1・4 縦列反復配列
  • 12・2 ヒト集団には SNP・CNV・VNTR などの遺伝的多型がある
  • 12・3 ヒトゲノムにはネアンデルタール人やデニソワ人との混交の跡がある
  • 12・4 チンパンジーとのゲノム比較でヒトの特徴がやっと見え始めた
  • 12・5 ヒトゲノムには進化的適応や文明史の特徴が刻まれている
  • 13章 ゲノムの変容と進化 - 遺伝子の冒険 -
  • 13・1 生命の初期進化では, 酵素活性を備えた自己複製体の成立が鍵となる
  • 13・2 ゲノムの複雑さは主に大・小規模の遺伝子重複で増す
  • 13・3 生物の進化は遺伝子の重複・変異・分岐・混交・選択の組み合わせで起こる
  • 13・3・1 突然変異
  • 13・3・2 種と遺伝子の分岐
  • 13・3・3 遺伝子の混交
  • 13・4 生物の系統分類とゲノムの配列比較
  • 13・5 ゲノムの生物間比較により進化の要因や全体像も考察できる
  • 14章 病気の遺伝的要因 - ゲノムで読み解く生老病死 -
  • 14・1 遺伝病にはメンデル性・多因子性・染色体異数性の 3 タイプがある
  • 14・2 病因遺伝子の解明は宿命論を排して対処可能性を広げる
  • 14・2・1 病因となる変異の種類
  • 14・2・2 病因遺伝子の解析法
  • 14・2・3 病因の解析例
  • 14・2・4 ゲノム解析に基づく精密医療と遺伝子治療
  • 14・3 がんはダーウィン的進化で過剰な増殖能を獲得した体細胞である
  • 14・4 病気のエピジェネティクス
  • 参考文献
  • 索引
  • 写真提供一覧
  • 奥付

この書籍の参考文献

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本参考文献は電子書籍掲載内容を元にしております。

第I部 基礎編 分子遺伝学のセントラルドグマ

P.2 掲載の参考文献
*1-1) グレゴール-メンデル著・岩槻邦男, 須原準平訳 ; 雑種植物の研究, 1999 (原著 1866), 岩波文庫
1-2) 中沢信午著 ; メンデルの遺伝, 1978, 共立出版
P.20 掲載の参考文献
*2-1) ジェームス-ワトソン, フランシス-クリック著・井上章訳 ; デオキシリボ核酸の構造「世界の名著 66巻 現代の科学 II」所収, 1970 (原著 1953), 中央公論社. 中公バックス版も
2-2) フランクリン F ポーチュガル, ジャック S. コーエン著・杉野義信, 杉野奈保野訳 ; DNAの一世紀 I, II, 1980, 岩波書店
2-3) 渡辺政隆著 ; DNAの謎に挑む, 1998, 朝日新聞社
P.78 掲載の参考文献

第II部 応用編 ヒトゲノム科学への展開

P.129 掲載の参考文献
9-1) スコット-ギルバート著・阿形清和, 高橋淑子監訳 ; ギルバート発生生物学, 2015, メディカル-サイエンス-インターナショナル
9-2) ネッサ-キャリー著・中山潤一訳 ; エピジェネティクス革命, 2015, 丸善出版
9-3) 仲野徹著 ; エピジェネティクス, 2014, 岩波新書
9-4) ティム-スペクター著・野中香方子訳 ; 双子の遺伝子, 2014, ダイヤモンド社
9-5) 武田洋幸, 相賀裕美子著 ; 発生遺伝学, 2007, 東京大学出版会
P.147 掲載の参考文献
10-1) 山本卓編 ; ゲノム編集入門, 2016, 裳華房
10-2) 石井哲也著 ; ゲノム編集を問う, 2017, 岩波新書
P.160 掲載の参考文献
11-1) 山内一也著 ; ウイルスと地球生命, 2012, 岩波科学ライブラリー
11-2) 坂本順司著 ; 微生物学-地球と健康を守る-, 2008, 裳華房
P.173 掲載の参考文献
12-6) アダム-ラザフォード著・垂水雄二訳 ; ゲノムが語る人類史, 2017, 文藝春秋
12-7) アリス-ロバーツ著・斉藤隆央訳 ; 生命進化の偉大なる奇跡, 2017, 学研
12-8) 篠田謙一監修 ; ホモ・サピエンスの誕生と拡散, 2017, 洋泉社
12-9) 本川達雄著 ; ゾウの時間ネズミの時間, 1992, 中公新書
12-10) 島泰三著 ; ヒト-異端のサルの1億年-, 2016, 中公新書
12-11) トム-ストラチャン, アンドリュー-リード著・村松正實, 木南凌監修 ; ヒトの分子遺伝学 第4版, 2011, メディカル-サイエンス-インターナショナル
P.188 掲載の参考文献
*13-1) チャールズ-ダーウィン著・八杉龍一訳 ; 種の起源 (上, 下), 1990 (原著 1859), 岩波文庫. ほかに渡辺政隆訳 ; 光文社古典新訳文庫版も
*13-2) ヤーコブ-フォン-エクスキュル著・日高敏隆, 羽田節子訳 ; 生物から見た世界, 2005 (原著 1934), 岩波文庫
*13-3) 大野乾著・山岸秀夫, 梁永弘訳 ; 遺伝子重複による進化, 1977 (原著 1970), 岩波書店
13-5) 大隅典子著 ; 脳の誕生, 2017, ちくま新書
13-6)スティーブン-グールド著・渡辺政隆訳 ; フルハウス, 1998, 早川書房
P.200 掲載の参考文献
14-4) 仲野徹著 ; こわいもの知らずの病理学講義, 2017, 晶文社
14-5) ケヴィン-デイヴィーズ著・武井摩利訳 ; 1000 ドルゲノム, 2014, 創元社
14-6) 福嶋義光監訳 ; トンプソン & トンプソン遺伝医学 第2版, 2017, メディカル-サイエンス-インターナショナル
14-7) シッダールタ-ムカジー著・田中文訳 ; がん-4000年の歴史- (上下), 2016, 早川文庫
14-8) 津田敏秀著 ; 医学的根拠とは何か, 2013, 岩波新書

参考文献

P.216 掲載の参考文献
0-1) ジェーン-リース他著・池内昌彦他監訳 ; キャンベル 生物学 原書11版, 2018, 丸善出版
0-2) シッダールタ-ムカジー著・田中文訳 ; 遺伝子-親密なる人類史- (上下), 2018, 早川書房
0-3) Terrence A. Brown著 ; Genome 4, 2017, Garland Science
0-4) ブルース-アルバーツ他著・中村桂子, 松原謙一監訳 ; 細胞の分子生物学 第6版, 2017, ニュートンプレス
0-5) ジェームス-ワトソン他著・中村桂子監訳 ; ワトソン 遺伝子の分子生物学 第7版, 2017, 東京電機大学出版局
0-6) ブルース-アルバーツ他著・中村桂子, 松原謙一監訳 ; Essential細胞生物学 原書第4版, 2016, 南江堂
0-7) 坂本順司著 ; 理工系のための生物学 改訂版, 2015, 裳華房
0-8) 坂本順司著 ; イラスト 基礎からわかる生化学, 2012, 裳華房
0-9) リーランド-ハートウェル他著・菊池韶彦監訳 ; ハートウェル遺伝学, 2010, メディカル-サイエンス-インターナショナル
0-10) 日本遺伝学会監修・編 ; 遺伝単 遺伝学用語集 対訳付き, 2017, エヌ・ティー・エス
0-11) 巌佐庸他編 ; 岩波 生物学辞典 第5版, 2013, 岩波書店
0-12) 石川統他編 ; 生物学辞典, 2010, 東京化学同人
0-13) 村松正實他編 ; 分子細胞生物学辞典 第2版, 2008, 東京化学同人
0-14) 今堀和友, 山川民夫監修 ; 生化学辞典 第4版, 2007, 東京化学同人

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