目次
- 【第1部】 からだに触れる からだで触れる
~「生命共感」への手がかり・足がかりとして~
<第1章>「手当て」のいとぐち
「肌」でわかる/からだはいつも何かに支えられている
<第2章>子育てと認知症ケアとの共通点
子どもの楽園/養育者と乳児との触れ合い/認知症患者の安心感につなげる
<第3章>「触れる/触れられる」ことの基盤となる体性感覚
「触れる/触れられる」が生む無数のニュアンス/体性感覚を豊かにするメソッド/
触れているものが自分のからだの延長となる/アイデンティティの基盤としての体性感覚
<第4章>人が人のからだに触れるとき
「抱擁」は「涙」と似ている/暴力としての「触れる」/からだに触れる、
それは人生に触れること/触れずに触れる/手技療法の名人がとらえている「触れる」
<第5章>「アタマ」と「ハラ」をキーワードに
技を身につける/治療家と患者とが出会う次元/ガソリンをかぶった息子に抱きついた父/
教誨師が死刑囚に引導を渡す/少年院の教官が問題児のこころを開く
<第6章>臨床の場によって求められるセンスの違い
そっと触れるか、ぎゅっと触れるか/小児の精神療法家、D・ウィニコットの手の感触/
精神病患者の「暴力」を「制圧」するのではなく「ケア」する
<第7章>ある統合失調症患者とつながるために重ねた工夫
まずは「心地よさ」を手がかりとして/患者と自分をつなぐものに何があり得るか/
「説明と同意」にフィクションが入ることもある/ノートの解読をきっかけにして
【第2部】スタンド・バイ・ミー
~統合失調症・認知症患者の在宅療養での試み~
<第1章>「ちきゅう」とのつながり
3歳のお孫さんを介してのターミナルケア/「いること」こそがすばらしい
<第2章>ある統合失調症患者の臨床からの報告
安全保障感・無条件でいて良い場所・母性性/順調な経過に潜んでいた見落とし/
過信が信頼関係を傷つける/つながりを回復するために重ねた工夫/
教会のミサに行き、公園で散歩して、喫茶店で文章を書く
<第3章>ある認知症患者の臨床からの報告
認知症ケアの鍵となる「安心」/認知症と鬱傾向のある女性高齢者の大腿骨骨折回復後の機能訓練/
急ぎ過ぎた機能訓練による激しい反発/手も足も出せず、ただ正座して寄り添うことから/
ついに立って、歩いた
<第4章>「見る」「話す」「立つ」「歩く」
施術者が自分のからだのあり方を見直すことからケアを考える/つながるための
「身ごなし」を工夫する/「立つ」「歩く」-老夫婦が同居生活を維持するための条件
<第5章>「向かい合う」から「同じ方を向く」へ