ハンゼン病療養所と自治の歴史

出版社: みすず書房
著者:
発行日: 2020-02-10
分野: 医学一般  >  医学史
ISBN: 9784622088837
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商品紹介

病者の隔離と排除を目的とした施設は、連帯と解放の拠点たりうるか。近代日本のハンセン病療養所に生きた人々の苦難と希望を、外島保養院(現・国立療養所邑久光明園)と長島愛生園で取り組まれた入所者の自治から迫る。

目次

  • 序章
    1 近代日本のハンセン病問題のあらまし
    2 「検証」と記録
    3 「自治」の射程
    4 本書の対象

    第I部 第三区連合府県立外島保養院

    第一章 自治の模索
    1 療養所における治療と生活
    2 「自治」の誕生
    3 「相愛互助」──自治の実践

    第二章 作業制度と自治──1932年外島保養院作業改革を手がかりに
    1 1930年代の外島保養院
    2 1932年の作業改革
    3 労働と分配をめぐる対決
    4 追放される者の旅立ちに

    第三章 壊滅と移転
    1 大阪から瀬戸内へ
    2 復興を求めて
    3 長島事件と外島関係者
    4 委託患者の希望

    第II部 国立療養所長島愛生園

    第四章 国立療養所の設置と地域社会
    1 隔離の推進
    2 療養所建設と「村の利益」
    3 交差する住民と患者
    4 漁民の生活圏の中で
     
    第五章 創設期の入園者統制──『舎長会議事録』から
    1 光田健輔園長の下で
    2 入園者総代の設置
    3 「家族主義」の動揺
    4 不信の臨界

    第六章 長島事件
    1 事件への道程
    2 事件の勃発
    3 自助会の発足
    4 長島事件をくぐり抜けて

    第III部 戦争と「自治」

    第七章 総力戦下の長島愛生園
    1 自治会の苦闘
    2 常務委員長・田中文雄
    3 自治会の解体
    4 生きのびるための共同体

    第八章 手放された自治──光明園から邑久光明園へ
    1 光明園の開設
    2 「評議員会議録」のなかの戦時
    3 国への移管
    4 「外島精神」の終焉

    終章 戦後への展望
    1 療養所における自治とは
    2 プロミン獲得運動とらい予防法反対闘争
    3 国家賠償請求訴訟
    4 課題

    補論
    補論1 小川正子の晩景
    1 臨床の現場へ
    2 病床の小川正子
    3 最後の手紙と短歌
    4 潰えた「初志」

    補論2 鈴木重雄の社会復帰
    1 「田中文雄」から鈴木重雄へ
    2 唐桑町長選挙への出馬と敗北
    3 知的障害者のための施設建設──「社会復帰」拠点として
    4 鈴木重雄の遺したもの

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