目次
- はじめに
序 章 内と外、排除の論理を超えて
1 わが国の精神保健福祉システム改革の現状と課題
2 精神科医療における「内」と「外」について
3 わが国における精神保健福祉の歩みと課題――内と外の論理
4 精神保健福祉システムと私的医療資本
5 国際的に見る脱施設化と脱制度化の比較について
――とくにアメリカとイタリアの取り組みを通して
6 多元的循環型社会と精神保健福祉システム
第1章 〈市民〉とは誰か?
はじめに――ポピュリズムと狭まる「市民」
1 市民概念の変容と受容――近代ヨーロッパから現代日本へ
2 ロールズ正義論とその問題――現代民主社会における「市民」の条件
3 センの「正義」のアイデアとその可能性
第2章 法制度と本人不在
はじめに――市民社会からの排除と精神障害者
1 対象としての精神障害者
2 現行法制度と精神障害者
3 不在の構造における当事者とは
4 あらためて何を問題にしなければならないのか
第3章 市民としての知的障害者
はじめに――価値の置き方の再考
1 市民への着目の必要性
2 家族ケアのありよう
3 知的障害者の暮らし
4 市民としての知的障害者と家族
第4章 行動制限の相克
はじめに――多元型循環型社会と精神医療における強制
1 精神保健福祉法の「医療及び保護」
2 精神衛生法と東佐譽子事件
3 リーガル・モデルの導入――宇都宮病院事件と犀潟病院事件
4 メディカル・モデルへの揺れ戻しとリーガル・モデル体制の再構築
第5章 措置入院と新しい法理念
はじめに――精神障害者の意思決定の尊重
1 措置入院とは何か?
2 措置入院の法的性質――直接強制と即時強制
3 措置入院が即時強制であることの問題点
第6章 不可視の市民
はじめに――なぜ、今、ハンセン病を取り上げるのか
1 退所者が再入所を余儀なくされる実態とその背景
2 社会内生活からの排除と抵抗
3 ハンセン病国賠訴訟での勝利判決と終わらない闘い
4 社会内における権利主体としての人間回復
第7章 精神科ソーシャルワーカーの葛藤
はじめに――PSWの課題は何か?
1 地域に住むということ
2 PSWの二重拘束性とジレンマ
3 「世間」と排除
4 ソーシャルワークにおける「希望」