ヘルス・エスノグラフィ

出版社: 医学書院
著者:
発行日: 2020-09-15
分野: 看護学  >  看護学一般
ISBN: 9784260042550
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商品紹介

医療人類学を基盤にする著者が提唱する「ヘルス・エスノグラフィ」のガイドブック。保健・医療・福祉領域で教育や研究活動に寄与する質的研究の方法論の入門書であり、人類学の領域で確立しているエスノグラフィをヘルスケアの領域に位置づけて展開し、その研究の実例を掲げて解説している。研究者が、新時代のグローバル・ヘルスの諸問題に対応できるツールとしておさえておきたい一冊。

目次

  • 序章 ヘルス・エスノグラフィへの招待
     ヘルス・エスノグラフィ─その意義と理由
     研究の過程や成果としてのメタモルフォーゼ
     小さきもの、小さな日常にこころをよせる視点
     本書の構成

    第1章 ヘルス・エスノグラフィの視点
     生命を支え、守り、育む
     人びとの日常へ
     生命との深いかかわり
     人びとと共に
     生命の景観
     健康の普遍的価値

    第2章 フィールドワーク
     研究デザイン
      理論と方法論の関係
      研究デザインの構成
      現場の課題を研究の問いに変換する
      研究の仮説を立てる
      研究の結果をイメージする
     フィールドに入るための準備と対策
      人間関係を築く
      アウトリーチの研究
      海外調査における現地機関の協力
      ゲートキーパー
      ナラティブ研究のネットワークづくり
      フィールドの倫理
     ヘルス・エスノグラフィを行うにあたっての研究倫理
      倫理的配慮
      インフォームド・コンセント
      プライバシーと機密性
      説明文書に必要な事項
     フィールドワークにおける倫理的課題と対応
      信頼関係
      研究する人と参加する人との間にある力関係
      危険性の予測
      グローバルな規制に対応することの困難さ
     研究成果の還元

    第3章 インタビュー
     発話の事象
     質問の意図の正確な伝達
      明確なテーマにそった質問
      包括的な視点と個別の視点
     必要性の吟味
     応答者の要件
     質問の様式
      全体を概観する質問
      具体的な質問
     インタビューの関係性と全体の状況
      インタビューの関係性
      インタビューの全体の状況
     インタビューの形式
      非構造化インタビュー
      半構造化インタビュー
      半構造化インタビューのためのインタビュー・ガイド
     古典的なエスノグラフィック・インタビューの様式

    第4章 ナラティブ・インタビュー
     ナラティブ・インタビューの基本概念
      語りの体系
      語りの思考
     ナラティブ・インタビューの構成とルール
      研究の準備──場に親しむ
      インフォーマントの選別
      ナラティブ・インタビューのルール
     自然な語りを集め、活かす
      自然な状況下で語られる語り
      グループ・セッションの手順
      自然な語りの研究資料としての特徴
      自然な語りの強みと弱み
     グループ・ナラティブ
      グループ・ナラティブの手順
      グループ・ナラティブの意義と有用性
      グループの力学
      観察資料としての意義
      集団の語りの社会的文脈と真実性
      グループの単位とグループ形成
     ナラティブの応用・限界・課題

    第5章 参与観察
     フィールドワークの観察
      観察の基準
      観察の目的
      観察の種類と研究者の役割
     参与観察の妥当性
      人間の行動と環境
      参与観察独自の資料
      他領域の研究を補完する資料
     観察の記録
      正式なフィールドノーツ
     観察研究における記憶の問題

    第6章 質的分析
     分析の目的
     分析の始まり
      データを準備する
      ノートの清書
      データになじむ
     メイン・テーマ
      事例1 演繹的/帰納的にテーマを導く
      事例2 島の子どもの健康と医療の調査から
     サブ・テーマ
     コーディング
      コーディングの実際
     分析の質の確保
      推論の確からしさ
      推論を行うときに必要な誠実さ
     分析の質の保証
      分析の包括性
      分析の完全性
      分析の透明性
     分析の模索

    第7章 システム
     現実の探究
     現実主義とヘルス・エスノグラフィ
      機能主義
      パーソンズ社会学とその医学研究への応用
     エコロジカル・システム
      エコシステムと人間の健康
      エコシステムの構成要素と機能
      環境保健人類学の事例
     エコシステムと慢性疾患
     エコシステムの応用

    第8章 ナラティブ
     経験の探究
     ナラティブの理論とその源流
      ナラティブの問い
      ナラティブの推論様式
      ナラティブ研究の類型
     臨床のナラティブ
     現象学
      個別領域への応用
     解釈学
     ナラティブの今後

    第9章 事例でみるヘルス・エスノグラフィ
     事例I 企業におけるHIV/AIDS対策の推進
     研究の目的
     研究の方法
     HIV/AIDS対策の初期介入
      HIV/AIDS対策を企業の安全衛生管理に組み込む
      HIV/AIDS予防のための行動変容コミュニケーション活動を行う
      HIV/AIDSに対する企業の社会的責任(CSR)を促進する
     事例II 小学生の食と健康に関するフォトボイス
     研究の目的
     研究の方法
     活動の結果
      子どもたちの考える健康
      子どもの見ている世界
     保健医療への示唆

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