発達障碍のある人と共に育ちあう

出版社: 金芳堂
著者:
発行日: 2020-11-16
分野: 臨床医学:内科  >  精神医学
ISBN: 9784765318464
電子書籍版: 2020-11-16 (第1版第1刷)
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商品紹介

本書では、「障碍を持つ被支援者」を「専門的スキルを持つ支援者」が支援するという枠組みを越え、固有の人生を歩む「私」と「あなた」として、発達障碍のある人と共に歩み、育ち合い、支え合っていく関与のあり方を描きました。最終章では発達障碍の当事者である綾屋紗月さんが、当事者の目から本書の議論がどのようなものとして映るか、吟味・検討しています。障碍のある子どもや大人、その家族が、生涯の展望を思い描けるように、さまざまな支援の現場、ライフステージを取り上げた発達障碍に関わる心理師、関係者、当事者必読の内容です。

目次

  • 第1章 発達障碍のある人と共に「育ち合う」関係へ―関係発達障碍論―
    1.本書の特徴と意義
    2.心(主体性)の育ちを捉えるための枠組み―関係発達論
    3.相互主体性―養護的働きと教育的働きのバランス
    4.「育てる者」と「育てられる者」との「育ち合い」
    5.関係発達論から見る発達障碍
    6.発達障碍という状況を構成する三側面
    7.「支援者-被支援者」関係から「育ち合う」関係へ

    第2章 発達障碍支援のあり方を問い直す
    1.はじめに―私たちの根幹にある発達観・障碍観が問われている
    2.三歳児健診での対照的な二人の子ども
    3.これまでの発達障碍支援の批判的検討
    4.「あなた」と「私」の関係性から考える発達障碍支援
    5.まとめ―お互いにとって「身近な他者」になること

    第3章 発達相談におけるアセスメントと支援
    1.はじめに
    2.発達相談とは
    3.発達相談の一場面から
    4.発達相談におけるアセスメント
    5.保護者にとっての発達相談の体験
    6.改めてもう一度、発達相談とは

    第4章 木洩れ日―「私」と「私たち」が紡ぐ暮らし
    1.はじめに―私の原風景
    2.「なんだか嬉しくなっちゃった」―碧くんと友だちとお母さんと私たち
    3.「ひらみつおばけ」―他機関との連携
    4.おわりに―「大丈夫」

    第5章 療育の場における支援
    1.療育とは何か
    2.療育の概要
    3.療育の実際
    4.まとめ

    第6章 小・中学校における支援
    1.小学校・中学校の通常の学級にて
    2.特別支援学級では何をどのように学ぶのか
    3.徹底的な個へのまなざし~支援の前に「人付き合いを」~
    4.やりたくてやっているわけではないということ
    5.ここまで考えてきたこと

    第7章 特別支援学校における支援
    1.特別支援学校で学ぶということ
    2.特別支援学校での教育の実際
    3.まとめ

    第8章 高等教育段階での支援
    1.はじめに
    2.大学に進学する前に考えておきたいこと
    3.大学における支援
    4.おわりに

    第9章 成人期以降の支援
    1.はじめに
    2.「障害」って何だろう
    3.発達障害がある成人の困難
    4.むすびにかえて

    第10章 身体とつなぐ 仲間とつなぐ― 自閉スペクトラム当事者の視点から
    1.はじめに
    2.本書の重要な点を再確認する
    3.誤解されやすい点を整理する
    4.新しいことを本書に追加する
    5.おわりに

この書籍の参考文献

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本参考文献は電子書籍掲載内容を元にしております。

第1章 発達障碍のある人と共に「育ち合う」関係へ - 関係発達障碍論 -

P.26 掲載の参考文献
綾屋紗月, 熊谷晋一郎 (2008). 発達障害当事者研究-ゆっくりていねいにつながりたい-. 医学書院.
Erikson, E. H. (1959). 西平直, 中島由恵 (訳) (2011). アイデンティティとライフサイクル. 誠信書房. (Identity and the Life Cycle. International Universities Press)
Grandin, T., & Scariano, M. M. (1986). カニングハム久子 (訳) (1994). 我, 自閉症に生まれて. 学習研究社. (Emergence Labeled Autistic. Arena Press)
鯨岡峻 (1999). 関係発達論の構築. ミネルヴァ書房.
鯨岡峻 (編) (2009). 最新保育講座 15 障害児保育. ミネルヴァ書房.
鯨岡峻 (2016). 関係の中で人は生きる. ミネルヴァ書房.
ニキ・リンコ, 藤家寛子 (2004). 自閉っ子, こういう風にできてます!. 花風社.
Notbohm, E. (2005). 和歌山友子 (訳) (2011). 自閉症の子があなたに知ってほしいこと. 筑摩書房. (The Things Every Child with Autism Wishes You Knew. Future Horizons)
村上靖彦 (2008). 自閉症の現象学. 勁草書房.
大石幸二 (監修), 山崎晃史 (編著) (2019). 公認心理師・臨床心理士のための発達障害論 インクルージョンを基盤とした理解と支援. 学苑社.
Williams, D. (1998). 川手鷹彦 (訳) (2009). 自閉症という体験 失われた感覚を持つ人びと. 誠信書房. (Autism and Sensing : The Unlost Instinct. Jessica Kingsley Pub)

第2章 発達障碍支援のあり方を問い直す

P.53 掲載の参考文献
綾屋紗月, 熊谷晋一郎 (2008). 発達障害当事者研究-ゆっくりていねいにつながりたい-. 医学書院.
浜田寿美男 (2009). 障害と子どもたちの生きるかたち. 岩波書店.
平岩幹男 (2015). 乳幼児健診ハンドブック改訂第4版 健診の実際から事後フォローまで. 診断と治療社.
平岩幹男 (2019). 発達障害 思春期からのライフスキル. 岩波書店.
稲田尚子 (2016). 「自閉症スペクトラム障害の超早期発見 : 1歳6カ月健診/3歳健診 (特集 発達支援のアセスメント) - (発達障害の早期発見のアセスメント) 」『臨床心理学』16, 141-144.
神田橋條治 (1997). 対話精神療法の初心者への手引き. 花クリニック神田橋研究会.
勝浦眞仁 (2016). "共にある" ことを目指す特別支援教育 関係論から発達障碍を問い直す. ナカニシヤ出版.
和仁正子 (2018). 「『小春日和』-『私』と『私たち』が紡ぐ暮らし-」. 勝浦眞仁 (編). 『特別の支援を必要とする子どもの理解 共に育つ保育を目指して』, ナカニシヤ出版, 1-16.
木曾陽子 (2020). 「発達障害の可能性がある子どもの保育所での支援の現状と課題」『育療』66, 55-62.
木谷秀勝 (2019). 「生涯発達から見た発達障害の心理アセスメント」『教育と医学』793, 12-17.
小島道生, 片岡美華 (編著) (2014). 発達障害・知的障害のある児童生徒の豊かな自己理解を育むキャリア教育 内面世界を大切にした授業プログラム 45. ジアース教育新社.
鯨岡峻 (2013). 子どもの心の育ちをエピソードで描く-自己肯定感を育てる保育のために-. ミネルヴァ書房.
黒田美保 (2016). 「発達障害アセスメントから支援, その実際」『臨床心理学』16 (2), 136-140.
黒田美保 (2018). 「自閉スペクトラム症 (ASD) の理解と支援の基本を学ぶ」. 下山晴彦 (監修・編著) (2018). 『公認心理師のための「発達障害」講義』. 北大路書房, 145-197.
黒木俊秀 (2018). 「関係性問題を評価する-DSM-5とICD-11における位置付け」『臨床心理学』18 (5), 523-527.
正高信男 (2019). ニューロダイバーシティと発達障害 『天才はなぜ生まれるか』再考. 北大路書房.
中野茂 (2005). 「多面的な親子関係の発達モデルを探る-Attachmentから間主観的companionship へ」『北海道医療大学心理科学部研究紀要』1, 47-66.
中田洋二郎 (2018). 「子どもの発達障害を親はいかに受容するか」『教育と医学』66 (5), 368-376.
大倉得史 (2008). 語り合う質的心理学-体験に寄り添う知を求めて. ナカニシヤ出版.
斉藤まなぶ, 吉田恵心, 高柳伸哉, 安田小響, 足立匡基, 大里絢子, 中村和彦 (2016). 「自閉症スペクトラム障害の早期発見-5歳児健診」『臨床心理学』16 (2), 145-150.
佐々木正美 (2007). こころの名医が教える やすらぎ子育てアドバイス 「自分が好き, 親が好き」な子は必ず伸びる!. 三笠書房.
下山晴彦 (監修・編著) (2018). 公認心理師のための「発達障害」講義. 北大路書房.
Silberman, S. (2016). Neuro Tribes: Th e Legacy of Autism and the Futue of Neurodiversity. Avery. (正高信男・入口真夕子 (訳) (2017). 自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実. 講談社)
滝吉美知香, 名古屋恒彦 (編著) (2015). 特別支援教育に生きる心理アセスメントの基礎知識. 東洋館出版社.
田中尚樹 (2019). 「顕在化しにくい発達障害の支援施策」『LD研究』28 (3), 319-324.
田中康雄 (2014). 「総論 生活障害としての発達障害」『発達』137, 2-9.
Trevarthen, C. (2001). Intrinsic motives for companionship in understanding : Their origin, development and significance for infant mental health, Infant Mental Health Journal, 22 (1-2), 95-131.
Trevarthen, C., Aitken, K., Papoudi, D. & Robarts, J. (1998). Children with Autism : Diagnosis and Interventions to Meet Their Needs (2nd ed.). Jessica Kingsley. (中野茂, 伊藤良子, 近藤清美 (監訳) (2005). 自閉症の子どもたち-間主観性の発達心理学からのアプローチ-. ミネルヴァ書房)
渡辺一史 (2018). なぜ人と人は支え合うのか 「障害」から考える. 筑摩書房.
Williams, D. (1992). Nobody Nowhere : Th e Remarkable Autobiography of an Autistic Girl. Doubleday. (河野万里子 (訳) (2000). 自閉症だったわたしへ. 新潮社)
山崎晃史 (編著) (2019). 公認心理師・臨床心理士のための発達障害論 インクルージョンを基盤とした理解と支援. 学苑社.
吉川徹 (2019). 「からだとこころの発達から発達障害の支援を考える」『こころの科学』207, 14-19.

第3章 発達相談におけるアセスメントと支援

P.83 掲載の参考文献
田丸尚美 (2010). 乳幼児健診と心理相談. 大月書店.
市川奈緒子, 岡本仁美 (編著) (2018). 発達が気になる子どもの療育・発達支援入門 目の前の子どもから学べる専門家を目指して. 金子書房.
大倉得史 (2011). 育てる者への発達心理学 関係発達論入門. ナカニシヤ出版.
大倉得史 (2008). 語り合う質的心理学 体験に寄り添う知をも求めて. ナカニシヤ出版.
鯨岡峻 (2011). 子どもは育てられて育つ 関係発達の世代間循環を考える. 慶應義塾大学出版会.

第5章 療育の場における支援

P.141 掲載の参考文献
全国児童発達支援協議会 (CDS-Japan) (2016). 「発達支援の指針 (CDS-Japan 二〇一六年改訂版) 」. http://www.cdsjapan.jp/wp/wp-content/themes/cds/download/guideline_2016.pdf (閲覧日 二〇二〇年六月十七日).
厚生労働省 (2017). 平成二十八年度障害者総合福祉推進事業「保育所等訪問支援の効果的な実施を図るための手引書」, 全国児童発達支援協議会. https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000166361.pdf (閲覧日 二〇二〇年六月十七日).
市川奈緒子 (2016). 気になる子の本当の発達支援. 風鳴舎.
市川奈緒子, 岡本仁美 (編著) (2018). 発達が気になる子どもの療育・発達支援入門 目の前の子どもから学べる専門家を目指して. 金子書房.
加藤正仁, 宮田広善 (監修) (2011). 発達支援学 その理論と実践 育ちが気になる子の子育て支援体系. 協同医書出版社.
厚生労働省 (2015). 「放課後等デイサービスガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000082829.pdf (閲覧日 二〇二〇年六月十七日).
厚生労働省 (2017). 「児童発達支援ガイドライン」https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/life/407639_1139624_misc.pdf (閲覧日 二〇二〇年六月十七日).
近藤直子, 全国発達支援通園事業連絡協議会 (編著) (2013). ていねいな子育てと保育 児童発達支援事業の療育. クリエイツかもがわ.
近藤直子, 全国発達支援通園事業連絡協議会 (編著) (2018). 療育って何?. クリエイツかもがわ.
進藤美左 (2017). 「親の会による保護者同士のサポートの実際」中川信子 (編著), 柘植雅義 (監修). 『発達障害の子を育てる親の気持ちと向き合う』. 金子書房.
汐見稔幸 (2014). 「再考4『発達障害流行り』の背景にあるもの」汐見稔幸 (監修), 市川奈緒子 (編). 『発達障害の再考 "発達障害流行り" を検証しよう』. 白梅学園大学子ども学研究所編集発行. 風鳴舎.
高松鶴吉 (1990). 療育とはなにか 障害の改善と地域化への課題. ぶどう社.

第6章 小・中学校における支援

P.169 掲載の参考文献
青山新吾 (編著) (2014). 気になる子の将来につなげる人間関係づくり. 学事出版.
青山新吾 (2015). 「僕が自閉語を学ぶわけ : 通じ合う実感とコミュニケーション」『コミュニケーション障害学』32 (1), 28-33.
青山新吾, 岩瀬直樹 (2019). インクルーシブ教育を通常学級で実践するってどういうこと?. 学事出版.
インクルーシブ授業研究会 (編) (2015). インクルーシブ授業をつくる-すべての子どもが豊かに学ぶ授業の方法-. ミネルヴァ書房.
片倉信夫 (1989). 僕と自閉症. 学苑社.

第7章 特別支援学校における支援

P.196 掲載の参考文献
文部科学省 (2017). 特別支援学校 幼稚部教育要領 小学部・中学部学習指導要領. https://www.mext.go.jp/content/20200407-mxt_tokubetu01-100002983_1.pdf (閲覧日 二〇二〇年六月十七日).
文部科学省 (2018). 特別支援学校教育要領・学習指導要領 解説 自立活動編 (幼稚部・小学部・中学部). https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/02/04/1399950_5.pdf (閲覧日 二〇二〇年六月十七日).
文部科学省 (2020). 特別支援教育資料 (平成30年度). https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1406456_00001.htm (閲覧日 二〇二〇年六月十七日).
湯浅恭正 (編著) (2018). よくわかる特別支援教育 [第2版]. ミネルヴァ書房.
杉野学, 長沼俊夫, 徳永亜希雄 (編著) (2018). 特別支援教育の基礎. 大学図書出版.
北川貴章, 安藤隆男 (編著) (2019). 「自立活動の指導」のデザインと展開 悩みを成長につなげる実践 32. ジアース教育新社.
全国特別支援教育推進連盟 (2019). 幼稚園・小中高等学校における特別支援教育の進め方 (5)「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」の作成と活用. ジアース教育新社.
宮本信也, 石塚謙二, 石川准, 飛松好子, 野澤和弘, 大西延英 (監修), 土橋圭子, 川島志保, 今野正良, 渡邉慶一郎 (編集) (2017). 改訂版 特別支援教育の基礎 確かな支援のできる教師・保育士になるために. 東京書籍.

第8章 高等教育段階での支援

P.224 掲載の参考文献
日本学生支援機構 (2019). 教職員のための障害学生修学支援ガイド (平成26年度改訂版) https://www.jasso.go.jp/gakusei/tokubetsu_shien/guide_kyouzai/guide/__icsFiles/afieldfile/2017/09/07/cover.pdf (閲覧日 二〇二〇年九月三日).
日本学生支援機構 (2019). 平成30年度 (2018年度) 大学・短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査結果報告書. https://www.jasso.go.jp/gakusei/tokubetsu_shien/chosa_kenkyu/chosa/__icsFiles/afieldfile/2019/07/22/report2018_2.pdf (閲覧日 二〇二〇年六月十七日).
高橋知音 (編) (2016). 発達障害のある大学生への支援. 金子書房.
文部科学省 (2019). 学校基本調査-令和元年度結果の概要-. https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/kekka/k_detail/1419591_00001.htm (閲覧日 二〇二〇年六月十七日).

第9章 成人期以降の支援

P.254 掲載の参考文献
Groce, N, E. (1988). Everyone Here Spoke Sign Language : Hereditary Deafness on Martha's Vineyard. Harvard University Press. (佐野正信 (訳) (1991). みんなが手話で話した島. 築地書館).
山本智子 (2016). 発達障害がある人のナラティヴを聴く 「あなた」の物語から学ぶ私たちのあり方. ミネルヴァ書房.

第10章 身体とつなぐ 仲間とつなぐ - 自閉スペクトラム当事者の視点から

P.281 掲載の参考文献

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