メンタライジングによる子どもと親への支援

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商品紹介

子どもを対象とし短時間で効果をあげることが可能な心理療法,時間制限式MBT-Cについて解説。問題「行動」の背景にある,「心」を理解するMBTの基本原則や基本姿勢を踏まえながら,子ども特有の発達課題を考慮した体系的なサイコセラピーの全体像を示す。親も含めた事例を通し効果的な治療作業の実際について詳述。

目次

  • 第I部 理論的枠組み

    第1章 メンタライジングの発達
     1.なぜメンタライジングが問題になるのか
     2.メンタライズする能力を促進する要因
     (1)省察的養育と伝承的姿勢の重要性
     (2)自然な伝承とメンタライジングの早期起源・自己・認識的信頼
     (3)メンタライジングの形成における注意制御の役割
     3.子ども期の異なる段階におけるメンタライズ能力
     (1)自己・他者・心についての理解の出現
     4.結語

    第2章 メンタライジング能力が未発達であるか途絶えるとき
     1.メンタライジングの困難について考えるための枠組み
     2.親がメンタライズすることに苦労するとき
     3.子どもたちにおける未発達なメンタライジング
     4.子どもたちにみられる様々な非メンタライジング・モード
     5.愛着とメンタライジングの途絶
     6.虐待およびネグレクトと関連するメンタライジングの失敗
     7.メンタライジングの困難と子ども期の障害
     8.結語


    第II部 治療的アプローチの解説

    第3章 時間制限式MBT-Cの構造と目的
     1.時間制限式MBT-Cが有効なのはどのような子どもたちか?
     2.時間制限式MBT-Cの包括的な目的
     3.時間制限式MBT-Cの構造と枠組み
     (1)アセスメント段階(MBT-Cを始める前の3~4回の面接)
     (2)1-3回目:初期段階
     (3)4-8回目:中期段階
     (4)振り返り面接
     (5)9-12回目:終結段階
     (6)確認または追加支援のセッション
     4.セラピーの物理的設定
     5.セラピーの枠組みとしての時間
     6.焦点定式化
     7.セラピストは1名か2名か?
     8.事例の紹介
     (1)アン(6歳)
     (2)モハメド(7歳)
     (3)ベリンダ(7歳)
     (4)ジョン(8歳)
     (5)ライザ(11歳)
     (6)ルース(12歳)
     9.結語

    第4章 時間制限式MBT-Cにおけるセラピストの姿勢
     1.MBT-Cセラピストの治療的存在感
     2.行動だけでなく,心に関心を持つこと
     3.好奇心と無知の(虚心に問いかける)姿勢
     4.誤解を自己観察すること
     5.スーパービジョンを用いてメンタライジング的姿勢を支えること
     6.結語

    第5章 時間制限式MBT-Cのアセスメント・プロセス
     1.アセスメント・プロセスの構造
     2.子どもおよび家族との初回面接
     (1)家族紹介
     (2)問題について探索すること
     (3)家族による遊び活動やゲーム
     (4)報告することと次に何を行うのかを説明すること
     3.子どもとのアセスメント面接
     (1)子どもの注意制御あるいは基本的な自己調整のアセスメント
     (2)子どもの感情調整を査定すること
     (3)明示的メンタライジング能力およびどこでメンタライジングが
        途絶えるか
     4.親とのアセスメント面接
     5.集めた印象の事例定式化への集約
     6.治療における焦点定式化の使用
     7.目標の設定
     8.結語

    第6章 時間制限式MBT-Cにおける子どもとの直接的治療作業
     1.時間制限式MBT-Cは遊びを中心に置いている
     2.遊びのナラティヴを触発すること
     3.遊びをメンタライズすること
     4.子どもが象徴的遊びに打ち込めないとき
     5.介入を確実に子どもに合った適切なレベルに調整すること
     6.メンタライジングを支えるための基盤を築くこと
     7.波長合わせ,ミラリング,随伴的協応
     8.感情状態を明確化し,それに名前を付けること
     9.明示的メンタライジングによる治療作業とメンタライジングの途絶
     10.メンタライジングの途絶に直面したときに共感と支持を提供すること
     11.停止と巻き戻し
     12.関係をメンタライズすること
     13.プリテンド・モードに対する治療作業
     14.トラウマ的出来事をめぐるメンタラインジング・ナラティヴを創り出すこと
     15.結語

    第7章 メンタライゼーションに基づく枠組みによる親との治療作業
     1.親との治療作業におけるメンタライジング的姿勢
     2.強さに基づく治療作業,観察の促し,遊びの促進
     3.強い情動への引き金を見出すこと
     4.不和状態にある親たちとの治療作業
     5.里親との治療作業
     6.親との治療作業の終結に向けて
     7.結 語

    第8章 別れへの歩み:時間制限式MBT-Cにおける終結
     1.治療作業の時間制限性を紹介すること
     2.終結を念頭に置くこと
     3.やめるときか続けるときかを決めること
     4.子どもと親に振り返りセッションのための準備をさせること
     5.振り返り面接
     6.セラピーの最終段階
     7.セラピー終結後:「追加支援セッション」
     8.セラピーが予期せぬ終わり方をするとき
     9.結語

    第9章 時間制限式MBT-C:事例研究
     1.治療依頼とインテークでの情報
     2.家族とのアセスメント・セッション
     3.両親とのアセスメント面接
     4.子どもとのアセスメント面接
     5.アセスメントの共有と焦点定式化の作成
     6.初期段階
     7.ルルの両親との治療作業
     8.振り返りセッション
     9.セラピーの中期段階
     10.終結段階
     11.第2回振り返りセッションと終結に向けての作業
     12.結語

    結論:回顧と展望
     1.回顧
     2.展望

    付録:子どもと親における省察機能の測定尺度

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