厄介で関わりたくない精神科患者とどうかかわるか

出版社: 中外医学社
著者:
発行日: 2021-04-15
分野: 臨床医学:内科  >  精神医学
ISBN: 9784498229303
電子書籍版: 2021-04-15 (1版1刷)
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商品紹介

患者の快復を願って必要な治療を提供しようとする.ただそれだけのことなのに,時として生まれる対立,そして陰性感情.そこに絶対的に不足しているのは患者と治療者の信頼関係です.厄介で関わりたくない精神科患者は必ず,深く傷ついています.必要なのは信頼関係に裏付けられた癒しです.人が人を癒すということは精神科医療の原点.しかし,これが容易ではありません.ではどうすればいいのでしょうか.

目次

  • 1 厄介で関わりたくない患者とは
      1 厄介で関わりたくない患者は誰もが敬遠する
      2 厄介で関わりたくない患者は病状が改善しない
      3 厄介で関わりたくない患者は治療が続かない
      4 厄介で関わりたくない患者は人を傷つけ,傷つけられる
      5 厄介で関わりたくない患者は誰とも信頼関係を持てない
      6 厄介で関わりたくない患者は偏見・スティグマを持たれる
      7 厄介で関わりたくない患者は熱心な治療者を燃え尽きさせる
      8 厄介で関わりたくない患者は治療過程で悪化することが多い
      9 厄介で関わりたくない患者は孤独である
      10 厄介で関わりたくない患者は生きていることが苦しい
      11 厄介で関わりたくない患者は自殺のリスクが高い
      12 厄介で関わりたくない患者は他者への助けを求められない

    2 厄介で関りたくない患者とその具体的な対応
     A.問題行動・暴力行為・自殺企図を繰り返す患者
      1 暴力的な患者
      2 問題行動を繰り返す患者
      3 犯罪を繰り返す患者
      4 酔って絡んでくる患者
      5 違法薬物を全くやめられない患者
      6 自傷行為を繰り返す患者
      7 過量服薬を繰り返す患者
      8 過食嘔吐が止まらない患者
      9 拒食が続き低体重で身体的に深刻な患者
      10 性的逸脱行為・性犯罪を繰り返す患者
      11 付き合う男性から繰り返し暴力を受ける患者
      12 人を殺したいと繰り返し訴える患者
      13 死にたいと頻回に訴える患者
      14 深刻な自殺企図を繰り返す患者
      15 不眠やイライラを訴えて強い薬を要求する患者
      16 治療担当者の交代を要求する患者
      17 無理なことを要求してくる患者
      18 反社会的勢力と関係がある患者

     B.治療関係が築きにくい患者
      1 治療者を信用できない患者
      2 治療者が陰性感情を持ってしまう患者
      3 知ったかぶりをしてくる患者
      4 自閉的で孤独な患者
      5 嘘が多く人にいいところしか見せられない患者
      6 自分は病気ではないと言い張る患者
      7 受診に拒否的な患者
      8 「特別を」要求する患者
      9 治療者に対して恋愛感情を表明する患者
      10 治療者に被害妄想を持っている患者
      11 LGBT・薬物依存症・HIV陽性の患者
      12 治療者に対するクレームが激しい患者
      13 言葉が通じない外国人の患者

     C.症状がよくならない患者
      1 薬物療法が効かない患者
      2 一向によくならない患者
      3 幻聴や妄想がとれずに苦しんでいる患者
      4 強迫的で確認や保証を繰り返し求める患者
      5 頑張りすぎて燃え尽きる患者
      6 人格交代や解離症状を繰り返す患者
      7 身体症状の訴えが執拗な心気的患者
      8 治療者に依存的で繰り返し入院を求める患者
      9 いくつも精神科合併症を持っている患者
      10 保護室での隔離が長期になっている患者
      11 身体拘束が解除できない患者
      12 身体合併症が問題となる患者
      13 副作用が深刻で薬が使えない患者
      14 容易に怠薬して入院を繰り返す患者

     D.患者を取り巻く環境がよくない患者
      1 家族内で虐待を受けてきた患者
      2 問題のある家族で調整役を果たしてきた患者
      3 性被害・いじめ・暴力を受けてきた患者
      4 家族が治療に協力的ではない患者
      5 家族から厳しく責めたてられる患者
      6 家族が治療者や治療に不信感を持っている患者

    3 厄介で関わりたくない患者と上手に関わるコツ
      1 患者中心の対応を徹底する
      2 患者に尊厳ある人として敬意をもって接する
      3 患者が治療を求めてきたことを評価する
      4 患者のつらさに共感する
      5 患者の良いところを見つけて患者に伝える
      6 患者の生きてきた人生を想像する
      7 患者を批判せず丸ごと受け入れる
      8 患者を無理やり変えようとしない
      9 患者の変わらない自由も尊重する
      10 患者は孤独で人に癒されていないと理解する
      11 患者は病者であり弱者であることに留意する
      12 関わりを拒む患者ほど支援を要すると知る
      13 招かれざる患者ほど歓迎する
      14 問題行動を起こす心理的背景について理解する
      15 問題行動を無理にやめさせようとしない
      16 患者と信頼関係を築くことを最優先する
      17 救世主になろうとしてはいけない
      18 一対一からチームへ連携へとつないでいく
      19 患者と関わる際の限界を知っておく
      20 同僚・関係者・回復者と信頼関係が築けている

    4 人は人に癒されて生きていけるようになる

    5 信頼関係の構築から遠ざかる現代の精神科医療
      1 現代の精神科治療と信頼関係の構築
      2 脳科学優先の精神医学の時代に心すること
      3 薬物療法は症状を改善し信頼関係は人を癒す
      4 信頼関係のない精神科医療は患者を傷つける
      5 信頼関係がないとスティグマが蔓延る
      6 精神療法と診療報酬 〜精神療法の形骸化〜
      7 精神科救急と信頼関係
      8 行動制限最小化と信頼関係
      9 長期入院患者と信頼関係
      10 わが国の精神科医療改革に向けて
      11 人間関係が希薄な現代社会の精神科医療
      12 信頼関係の構築が精神科医療の最優先課題である

    6 人と信頼関係を構築するためにどうすればいいか
      1 信頼関係を持てるとはどういうことか
      2 厄介で関わりたくない患者と信頼関係を築くために必要なこと

    7 厄介で関わりたくない患者にこそ支援は必要である

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