統合失調症急性期看護学 患者理解の方法と理論にもとづく実践
目次
- 序章 精神科看護の現在を問う:精神医療と看護、この50年をかえりみて
統合失調症を“ほどく”あるいは“耕す”
■すぐれた書籍に恵まれ、励まされた時代 ■歴史に学ぶ意味
精神科看護この50年の変化
揺れはじめた看護職能:オールラウンド性の喪失
■作業療法士の登場:集団作業療法の診療報酬化(1986年
■退院・社会復帰促進と精神保健福祉士
精神保健医療福祉の改革ビジョン:10カ年計画の結末
■精神病床削減が失敗に終わった背景
臨床看護の変質
■診療報酬の成果主義になびく:入院基本料の軽視
■総合的な看護スキルの軽視
■看護記録にみる問題――自ら書かないことの末路
看護を取り戻すために
I 統合失調症急性期看護学総論
第1章 回復過程としての統合失調症急性期:中井久夫“寛解過程論”による
第2章 精神科救急あるいは外来受診患者の入院
第3章 統合失調症急性期看護の基本:精神科看護の専門的常識
II 統合失調症急性期看護の展開:“精神構造と保護膜”の理論
第4章 患者理解の方法
第5章 看護の原則:統合失調症急性期看護の実践を導く理論
第6章 回復過程に沿った看護の実際:看護方針と具体策
III 統合失調症急性期看護事例集:精神構造の解釈と看護の実際
事例-1 幻覚・妄想に支配され,自らの言動をコントロールできなくなった患者
事例-2 思考の混乱により疎通性に障害のある患者
事例-3 躁状態で,感情のコントロールが困難な患者
事例-4 引きこもりから,亜昏迷・昏迷状態をきたした患者
事例-5 陽性症状が表面的には目立たないが,幻聴が活発な患者
事例-6 興奮が激しく攻撃的で,治療・ケアに抵抗が強い患者
事例-7 焦燥感や不安から自殺企図に及んだ患者―臨界期の看護
事例-8 急性状態は治まって退院したが,幻聴に悩まされて再入院に至った患者
―寛解期の看護
事例-9 激しい妄想を抱きながら1人で暮らしている患者
―訪問看護でのかかわり(1)
事例-10 長年1人暮らしで生活は自立できているように見えるが,
実際は幻聴が激しく必需品の買い物にも支障をきたしている患者
―訪問看護でのかかわり(2)