目次
- プロローグ パリ公立病院での実験
継続教育から管理のチームへ
1988年=ケアする人々の承認の年
ニューヨーク市の貧困,エイズの感染,そして高齢化
クリニカル・ナースの役割
ニューヨークからパリへ
痛みのエキスパート
大学による研修の承認
看護師のコンサルテーション
「ポール」の形成
序論 どのように「ケア」を促進するか
閉ざされた医療システムに対する「いっそうのケア」:
多様なプロフェッショナル,多様な組織間のコーディネーションの必要性
「いっそうのケア」のためのイノベーション:2つの事例
展望:コーディネーション
第1章 組織のコーディネーション
1.キュアとケアの再統合―多様なケアの組織化をめぐって
近年のフランスにおける政策の鍵「ケアの社会」
ヘルスケアシステムの転換
病者を受け入れる―ストラウスとコービンの提案
多様な医療(キュアとケア)からなる組織の必要性
キュアとケアの実践に求められるコーディネーター
高度実践看護師について
2.医療における資源とニーズをめぐって―フランスの地域医療計画から
「医療崩壊」と公共の行動
際限のない医療ニーズへどう対応するのか
フランスにおける地域医療
病院のグループ化のプロジェクト
医療プロフェッショナル間の境界を超える連携へ
第2章 ケアのフェミニズム
1.関係と組織
遅れて来たケアのフェミニズム
「聞く」こと,「話す」こと
地域でのケアする人々の組織形成
2.北フランスのケアのネットワーク(1)医療費抑制策
地平線の集落/1か月未満の在宅ケア
「おひとりさま」の在宅ケア
3.北フランスのケアのネットワーク(2)在宅ケアのコーディネート
在宅ケアの組織化
コーディネーターの役割
4.女性の社会活動
修道会の女性たち
コミュノーテからアソシアシオンへ
第3セクターとしてのケアの活動
第3章 看護師のキャリア 離脱と発言の妥協をめぐって
2つの日仏比較調査
フランスの看護師:退出に対する救済としての発言
日本の看護師:やむをえない退出,受容される忠誠
社会的コンテクスト:プロフェッションから家族への退出は,なお問われているか
第4章 高度実践看護とは?
高度実践看護師の現状とサンプリング
家族生活との両立と継続教育
フランスと日本におけるキュアとケア
フランスと日本における不確実な空間への投企
プロフェッショナルの空間
第5章 ケアのメゾ経済社会 フィリップ・モッセ
1.評価の文化の生成
フランスと日本の医療システム
マクロ経済社会の視点からの施策:ケアの質,アクセスの公平性,費用の抑制
効率性のミクロ経済の視点
2.ジェンダーの境界からの解放
看護師のキャリアと実践の多様性
キュアとケアの統合―役割拡大,ネットワーク
メゾ経済の効率性
3.高度実践看護師の発展の条件
結論にかえて-フランスと日本におけるケアの境界