解離性障害と他者性

出版社: 岩崎学術出版社
著者:
発行日: 2022-12-12
分野: 臨床医学:内科  >  精神医学
ISBN: 9784753312160
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商品紹介

解離性障害とは自分の脳の中にいくつかの他者が成立している状態である。他者は別の主体として異なる神経ネットワークを伴い,それぞれの神経ネットワークは触覚,視覚,運動野,感覚野などを含みこんでいる。別人格Bが攻撃的であるとき,主人格AにBの攻撃性の責任を負わせることはできない。攻撃的な交代人格は,かつて受けた暴力や虐待の結果生じたものであり,Aはそのような攻撃の犠牲者である可能性がある。

目次

  • 第I部 解離研究の過去と現在
     第1章 「他者」としての交代人格と出会うこと
      実際には臨床家はどのように交代人格に出会っているか?/
      「解離否認症候群」は健在である/最後に 良識派の精神科医の先生方へ
     第2章 交代人格を「部分」として扱う歴史的な経緯
      交代人格は「妄想」を抱いているのだろうか?/構造的解離理論/断片Fragments,という
      見方はFerenczi に由来するのか?/そもそもDIDという呼び方に問題があったのではなかったか?
     第3章 交代人格を一人の他者として認めない歴史(1)
      精神分析的な心の理解について/ポリサイキズムと意識のスプリッティング/
      Freudも持っていた「意識のスプリッティング」という考え方/スプリッティング
      splittingという語の持つ両義性(O’Neil)/「ヒステリー研究(1895)」でBreuer
      とFreud は訣別していた/実は解離のことを気にしていたFreudと「振動仮説」/
      Janetの考えた解離
     第4章 交代人格を一人の人間として認めない歴史(2)
      van der Hart のタイプ1,タイプ2の分類/Ferencziだけはタイプ2の考え方を持っていた/
      英国学派における解離理論
     第5章 現代精神分析における「大文字の解離」概念の提案
      現代的な精神分析理論における解離/精神分析における大文字の解離理論/共意識状態の不思議

    第II部 解離と脳科学
     第6章 転換性障害における他者性
      はじめに/「転換性障害」は古い用語となりつつある/転換症状の脳科学的説明
     第7章 意識は常に一つの統合体である
      部分的な心と自我障害/「部分としての心」は存在するのか?──『僕を探しに』を読む/
      心とはそもそも一つである
     第8章 特殊な他者としての黒幕人格と「攻撃者との同一化」
      黒幕人格と攻撃性/黒幕人格の成立過程/「攻撃者との同一化」の脳内プロセス
     第9章 交代人格を部分としてとらえる離散的行動モデル
      Putnamの離散的行動モデル
     第10章 他者性の神経学的基盤
      心とは神経ネットワークの産物である/ダイナミックコア仮説/離断脳に見られる
      神経ネットワークの共存状態/DIDにおけるダイナミックコア/まとめ

    第III部 解離性障害にどう対処するか
     第11章 司法領域における解離と他者性(1)──責任能力とは何か
      責任能力とは何か?/DIDにおいて責任能力が問われる状況のプロトタイプ
     第12章 司法領域における解離と他者性(2)──「責任能力」をめぐる動向
      現実の裁判においてDIDはどのように扱われているのか?/司法領域におけるDIDに関する見解/
      DIDの裁判 最近の動向/DID裁判のさらに新しい動き/
      結論 最近のDIDをめぐる動きをどのようにとらえるべきか
     第13章 治療論──あえて統合を目指さず
      統合が最終目標か?/ただし平和共存には問題がある/解離の治療とオープンダイアローグ/
      ある臨床例を通して ケースA さん
     第14章 他者性を踏まえた解離性障害をどう伝えるか?
      治療者が理解しておくべき前提──解離性障害の診断を惑わす要素/患者にいかに伝えるか?

    第IV部 解離性障害のこれから
     第15章 解離性障害は「障害」なのか?
      「障害」の概念とその表記の仕方/解離性障害の場合はどうか?/解離性障害と差別の問題/
      LGBTQ “D” ?/解離性障害を障害とみなさないこともまた差別となりかねない?/
      最後に提唱する「程よい」解離性障害のとらえ方
     第16章 座談「交代人格といかに出会うか」
     エピローグ 臨床における他者との出会い
      解離性障害と他者/人格同士の混線状態/「交代人格は互いに他者どうし」であることに
      なぜ私がこだわるのか/夢に出てくる私は他者ではないのか?/他者とは何か?/
      精神分析における他者/どうしてこれほど他者の問題が重要なのか?/治療者の目指すこと

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