緩和ケアで関わりづらさを感じたら

出版社: メディカ出版
著者:
発行日: 2023-06-01
分野: 看護学  >  臨床/成人/老人
ISBN: 9784840481779
電子書籍版: 2023-06-01 (電子書籍版)
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商品紹介

緩和ケアにおける基本のコミュニケーションスキルでは対応できなくて困った経験は誰にでもあるだろう。そんな時に認知機能や発達障害などの特性をふまえて対応しようという研究が進んでいる。最新知見と事例から、臨床現場を再考するための書籍。

目次

  • 【1章 緩和ケアの目的と全人的アプローチ】
    ■はじめに
    ■緩和ケアの目的と全人的アプローチ
     緩和ケアの定義/緩和ケアの目的/包括的アセスメント/
     基本的緩和ケアを担う看護師に求められる実践能力/看護師のコミュニケーションの特徴

    【2章 がん患者さんの心理とコミュニケーション】
    ■がん患者さんの心理
     がん患者さんが経験する心の状態/がんに対する心理的反応
    ■医療者がコミュニケーションにおいて感じる不安
     患者さんに苦痛をもたらすのではないかという懸念/患者さんが感情的になるのではないかという心配/
     自分の感情を表現することの気恥ずかしさ/自分自身の病気や死への恐れ/
     コミュニケーションを学ぶ機会の不足
    ■コミュニケーションについて理解する
     コミュニケーションと共有/コミュニケーションスキル

    【3章 看護師が関わりづらさを感じるときのアセスメントと対応】
    ■患者さんとのコミュニケーションにおいて
     看護師が抱きやすい困難感
    ■何度説明しても、患者さんの理解が得られないとき
     (1)せん妄の有無を確認する/(2)認知機能の程度を把握する/(3)認知症の有無を確認する/
     (4)適応障害、うつ病の有無を確認する/(5)否認の有無を確認する/
     (6)発達障害特性の有無を確認する/対応のコツ

    【4章 看護師が難しさを感じる場面のアセスメントと対応】
    ■患者さんが治療をあきらめたくないと話すとき
     医療者からの一方的な情報提供になっていないか/患者さんの立場になって状況をみつめてみる/
     医療者自身の価値観を認識しておく/患者さんが納得できる選択を支援する
    ■こだわりが強いなと感じるとき
     ASD特性という視点からみてみる/医療者自身もこだわりすぎないようにする
    ■「間違ってはいない」でも何か違うと感じるとき
     ASD特性という視点でみてみる/本人に行動の背景を尋ねてみる
    ■患者さんが怒りを表出したとき
     患者さんの怒りに巻き込まれないように、冷静さを保つ/患者さんの心身の状況を確認する/
     患者さんと医療者とのコミュニケーションは不足していないかを確認する/
     医療者に非がある場合、まずは謝罪する/誤解の場合は時間をおいてから丁寧に説明する/
     患者さんと一緒に怒りの原因を考える/ASD特性という視点でみてみる
    ■発言力の大きい遠方のご家族が出現したとき
     家族にはそれぞれの歴史があると認識する/ご家族の苦悩にも配慮する/
     予期悲嘆について理解する/ご家族に起こっていることとその理由を全体でとらえ直す/
    「家族」の難しさを認識しておく

    【5章 発達障害の影響を考慮した対応】
    ■発達障害の実態
     ASDの有病率/症状の併存率は9割近い/大人になってからの診断も増えている/
     ASDとして理解しようとすることのメリットとデメリット
    ■発達障害の影響を考慮したマネジメント
     優先順位をつけて一つずつ/「視覚的に」「できるだけ早く」「単純にして」伝える/
     怒りが強い場合は、その場から一度離れる/入院生活を観察して患者さんの状態を客観的に評価する/
     過度な刺激・負担を避ける

    【6章 まとめ】
    ■緩和ケアにおいて看護師が感じる関わりづらさ
    ■全人的視点からのアプローチが助けになる
    ■患者さんに関わりづらさを感じるときの対応で心がけること
     患者さんはストレスの多い出来事を経験している/レッテルを貼る前に距離を置く/
     患者さんの立場から状況をみつめ直す/一気にすべてを理解しなくてもいい/
     ASD特性の視点から考えてみる/ブラックボックスは無理に開けなくてもいい/
     お互いが聴きあえる関係を作っていく

この書籍の参考文献

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本参考文献は電子書籍掲載内容を元にしております。

1章 緩和ケアの目的と全人的アプローチ

P.24 掲載の参考文献
1) World Health Organization. Integrating palliative care and symptom relief into primary health care:a WHO guide for planners, implementers and managers. https://apps.who.int/iris/handle/10665/274559
2) 田村恵子. "包括的アセスメントの進め方". 緩和ケア教育テキスト:がんと診断された時からの緩和ケアの推進. 田村恵子編. 大阪, メディカ出版, 2017, 135.
3) 小松浩子. "基本的緩和ケアを担う看護師に求められる役割と必要な実践力". 田村恵子. "包括的アセスメントの進め方". 緩和ケア教育テキスト:がんと診断された時からの緩和ケアの推進. 田村恵子編. 大阪, メディカ出版, 2017, 13.
4) 川名典子. 各論 看護師のコミュニケーションの特徴. がん看護. 26(2), 2021, 99.
5) 宮岡等, 内山登紀夫. 大人の発達障害ってそういうことだったのか その後. 東京, 医学書院, 2019, 328p.
6) 川名典子. がん患者のメンタルケア. 東京, 南江堂, 2014, 240p.

2章 がん患者さんの心理とコミュニケーション

P.41 掲載の参考文献
1) 国立がん研究センター. "心のケア". がん情報サービス. chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://ganjoho.jp/public/support/mental_care/pdf/mc01.pdf
2) キューブラー=ロス, E. 死ぬ瞬間:死とその過程について. 鈴木晶訳. 中央公論新社, 2001, 430.
3) ロバート・バックマン. 真実を伝える:コミュニケーション技術と精神的援助の指針. 恒藤曉監訳. 東京, 診断と治療社, 2000. 239p.
5) 松尾太加志. コミュニケーションの心理学:認知心理学・社会心理学・認知工学からのアプローチ. 京都, ナカニシヤ出版, 1999, 3.
6) 宮岡等, 内山登紀夫. 大人の発達障害ってそういうことだったのか その後. 東京, 医学書院, 2019, 328p.
7) 川名典子. がん患者のメンタルケア. 東京, 南江堂, 2014, 240p.

3章 看護師が関わりづらさを感じるときのアセスメントと対応

P.87 掲載の参考文献
1) 宮崎優子ほか. 急性期病院の一般病棟でのがん終末期看護における患者とのコミュニケーションに困難を感じる要因. 日本看護学会論文集:慢性期看護. 48, 2018, 207-10.
2) 野村佳香ほか. 死にゆく患者への関わりの中で看護師の抱く感情. 2011年度(前期)勇美記念財団在宅医療助成報告書. 2012. 7.
3) 狩谷恭子. 一般病棟における終末期がん患者の看護に対する困難度とスピリチュアルケアの実態調査. 日本医学看護学教育学会誌. 26(3), 2018, 13-9.
4) 東谷敬介ほか. 「理解が悪い」と感じられる患者/「先々のことが考えられない」と感じられる患者. 緩和ケア. 28(5). 2018, 334.
5) 小川朝生. 認知症・せん妄のケア:急性期医療での認知症の人々への支援. 講義資料. 2022.
6) 国立がん研究センター. 「がん治療中のせん妄の発症予防を目指した多職種せん妄対応プログラムの開発」:DELTA(DELirium Team Approach)プログラム. https://www.ncc.go.jp/jp/epoc/division/psycho_oncology/kashiwa/research_summary/040/index.html
7) 老年医学会. 認知機能の評価法と認知症診断. https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/tool/tool_02.html
8) 小川朝生. あなたの患者さん, 認知症かもしれません. 東京, 医学書院, 2017, 3-4.
9) World Health Organization. International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems. 10th Revision. Geneve, World Health Organization. 1993.
11) 国立がん研究センター. 高齢者のがん診療における意思決定支援の手引き. https://www.ncc.go.jp/jp/epoc/division/psycho_oncology/kashiwa/research_summary/050/isikettei_pnf.pdf
12) 小川朝生ほか編. 医療者が知っておきたいがん患者さんの心のケア:精神腫瘍学ポケットガイド. 東京, 創造出版, 2014, 10.
13) MSDマニュアル 家庭版. 適応障害. https://www.msdmanuals.com/ja-jp
14) 米国精神医学会. DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引. 高橋三郎ほか監訳. 東京, 医学書院, 2014, 160-1.
17) 厚生労働省. 発達障害. https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
18) 本田秀夫. 自閉スペクトラム症の理解と支援:子どもから大人までの発達障害の臨床経験から. 東京, 星和書店, 2017, 38.
19) 米国精神医学会. DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引. 高橋三郎ほか監訳. 東京, 医学書院, 2014, 49.
20) 上村恵一. 緩和ケアをするうえで必要な発達障害の知識. 緩和ケア. 28(5). 328-30.
21) 宮岡等, 内山登紀夫. 大人の発達障害ってそういうことだったのか その後. 東京, 医学書院, 2019, 328p.
22) 川名典子. がん患者のメンタルケア. 東京, 南江堂, 2014, 240p.

4章 看護師が難しさを感じる場面のアセスメントと対応

P.118 掲載の参考文献
1) 白井由紀. "緩和ケアにおけるコミュニケーション". 緩和ケア. 第3版. 東京, 医学書院, 2020, 55-6.
2) 大谷弘行ほか. 「クレームが多い,ルールが守れない」患者. 緩和ケア. 28(5), 2018, 355-8.
3) Kissane, DW. Psychological Morbidity in the familes of patients with cancer. Psycho-Oncology. 3(47), 1994, 47-56.
4) 白井由紀. "緩和ケアにおけるコミュニケーション". 緩和ケア. 第3版. 東京, 医学書院, 2020, 52-3.
5) 宮岡等, 内山登紀夫. 大人の発達障害ってそういうことだったのか その後. 東京, 医学書院, 2019, 328p.
6) 川名典子. がん患者のメンタルケア. 東京, 南江堂, 2014, 240p.

5章 発達障害の影響を考慮した対応

P.129 掲載の参考文献
2) 坂田尚子. 「こだわりが強く怒りっぽい患者」への対応. 緩和ケア. 28(5). 2018, 352.
3) 宮岡等, 内山登紀夫. 大人の発達障害ってそういうことだったのか その後. 東京, 医学書院, 2019, 328p.
4) 川名典子. がん患者のメンタルケア. 東京, 南江堂, 2014, 240p.

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