脳卒中、心筋梗塞、腎不全という病気はそれぞれ脳、心臓、腎臓の血管が動脈硬化によって狭くなったり、つまったり、あるいは敗れたりして生じる、いわば『血管病』です。血管病をすべて統合すると、日本人の死因としては癌を抜いてトップになります。また、死亡に至らないものまで含めると、膨大な発生数になります。高血圧は、糖尿病や高コレステロール血症と並んでこれらの血管病を引き起こす大きな要因です。高血圧は40歳くらいからそっと忍び寄り、いつのまにか血管をむしばみ、気づいた時にはすでに血管病をもたらしているこわい病気です。忙しくて健康診断を受けたり近くの診療所にかかる時間のない人も、せめてこの本を読んで明日からの健康管理に役立てていただければ望外の喜びです。(「はじめに」より)