日本の医学部に入学する学生は優秀なはずである。しかし、学生期間である6年間に限ってみると彼らの評判は決して芳しくない。ただ、今までの医学教育が必ずしも悪いものであったとは言えないものの、学ぶ人たちが医学の授業に関心を示さなくなったのも事実である。しかし、医学を志す者は自らが学ぶ姿勢をもって臨まなければならない。改革の一つの方向は、教官が勝手に講義をしてその積み重ねからなる従来の教育カリキュラムから、学生が自主的に学ぶカリキュラムに移行するのが最近の傾向である学習目標が明白なカリキュラムをたて、自らの意思で学生や研修医が学ぶようになれば学習効果があがることは明白の理である。本書はこのことを念頭に、最先端の知見が加えられ重要なポイントを示しながら自ら興味のある点を学び、その結果がベッドサイドで役立つように編集したつもりである。(「序」より)