No.12では子宮内膜症,子宮腺筋症を取り上げている。経験豊富な術者による“手術のコツと注意点”を中心に,豊富なイラストでわかりやすく解説しており,手術手技の向上に役立つ1冊である。本疾患は不妊の原因となったり,また強い月経困難症,慢性骨盤痛を生じさせて,女性のQOLを大きく損う疾患であり,従来,根治的治療は子宮全摘術および両付属器摘出術とされてきたが,生殖年代の女性に多く発症するため,近年では保存的治療が必要とされることも多い。本書は産婦人科医にとって注目すべき疾患である子宮内膜症,子宮腺筋症の手術法を,ニーズに合わせてさまざまなアプローチで紹介しており,経験を積んだ医師にとっても,非常に有用な書籍となっている。