小児は成人の縮小版ではない。先天性脳奇形などの疾患,脳が発達段階であることなど,小児特有の問題が多く存在する。さらに頭部と体幹のバランスが悪いため転倒しやすく頭部外傷が起こりやすい。このように小児では扱うべき疾患は多岐にわたる。本書では,小児脳神経外科で特に扱うことの多い疾患を中心に取り上げ,日常診療の疑問に答えている。各疾患ごとにまず,“Essential”で基礎知識を代表的画像とともに解説し,次に術式の選択法や手術のタイミングなど,現場で判断に苦しむ事項や議論の多い点を“Clinical Question”の形式で解説している。さらに,専門医試験にも対応できるよう,“Practice”として問題形式で知識の整理をすることができる。