そもそも胸部画像診断は量的診断であり、質的診断の道具ではない。すなわち確定診断の道具ではないのである。どこに、どのような大きさで、どのような性状の陰影があるかがわかるだけのものである。どのような性状の陰影であるということから、鑑別すべき疾患を考えて、確定診断に至る次の検査法を選ぶべきである。そのような診断過程に合致するのが陰影のパターンであろうと考える。必ずしもパターン化が容易な症例ばかりであるとは考えないが、病変の検出能や病変の性状分析能に優れたCTを加えることにより、不可能ではないと考える。(「序文」より)