「この患者さんは、長く植物人間でしたね?」「いいえ、脳卒中のあとに数冊の本を書いています」突然、失語症と手足の麻痺に襲われた作家の夫。同じく作家の妻は家庭で献身的なサポートを続けた。夫の失った言葉を取り戻すために手探りで見つけた方法、それは妻の愛称を夫が毎日考えるという他愛もない提案だった。「キンポウゲの狩人」「つばめの天国」「荘厳な朝の妖精探偵」等々、それら100の愛情溢れる妻への名前たち。その方法が、ほぼ最新医学が勧めるリハビリ療法に合致していた!翻訳が待たれた、ピューリッツァー賞最終候補作品!