臨床状況や支援場面において,専門家はどのようにクライエントに耳を傾けるのか。「こころの臨床家」の援助が実効力を持つには,対象者のこころの苦痛・苦悩を適切に聴き取り,それに基づいてより深くより的確に理解することが基礎技術として求められる。精神科医・心療内科医,小児科医,看護師,心理職,ソーシャルワーカー,作業療法士,さまざまな支援福祉施設で働く援助職,ケアワーカー,教師,家裁調査官等,こころへのかかわりに意欲的なあらゆる人たちが,その方法を学び,身に着けるための,支持的な聴き方から精神分析的リスニングまでの7つのステップを実践的に提示する。