本書は、タヴィストック(ロンドン)の伝統である《精神分析的観察法》に拠るところの‘子どものこころの育ち’ の問い直しの書である。本書の妙味は、<クライン派精神分析>の エッセンスがマーサ・ハリス流にやや控え目ながら折々に織り込まれていることにある。成人・子どもを問わず、‘こころの育ち’を支援するという観点から、保育・看護・教育・福祉、そして心理臨床など各フィールドで対人援助に携わる専門職の方々には、必読書(バイブル)になるかと思われる。そして一般の親御さんたちにも、‘親と子の結びつき’ を改めて問い直すものとしてお 読みいただくことをお勧めしたい。