最近、医療事故が多発し、社会的にも大きな問題になっておりますが、この多発する医療事故の根底には医師と患者の間の人間的な信頼関係の喪失があり、これを回復しない限り医療事故の問題の解決はありません。このような時代の流れの中で、昭和62年に医学教育の改善に関する調査研究協力者会議が医学教育に関する「最終まとめ」を公表しましたが、その中で「期待される医師像」の条件が提示されております。医学教育においても、これまでの科学としての医学を指向した教育から、良医の育成を目標とした教育へと転換を進めなければなりません。