発刊に際して、経管栄養チューブを長期に使用する大きな原因である嚥下障害についての記述を執筆することにした。高齢社会に入り嚥下障害は患者数も増加しているが、知識が十分に普及しているとはいえない。薬剤の経管投与に際しても、その原因疾患を十分理解する必要がある。薬剤を粉砕する理由の一つは嚥下障害である。嚥下障害であれば薬剤を粉砕して投与すればよい、という安易な考え方を持っている医療者も少なくないが、それは必ずしも正しくない。そのあたりの知識にも本書で興味を持っていただければ幸いである。(「監修のことば」より)