本書は,解決志向アプローチがこれまでもセラピーの大事な前提としていたにもかかわらず,明確に焦点をあてて来なかった傾聴や情動の扱い,および長期の事例や終結に関する考え方を,理論と実践の両面から具体的にわかりやすく述べ,上記のような誤解を解くものである。そして,クライエントの言葉を傾聴して感情や情動を把握してそれを尊重するいくことがセラピーをスムーズに進めることを示し,治療関係を尊重したセラピーのあり方を具体例をもとに詳細に解説して,これからこの方法を学ぼうとするものにも具体的な指針を提供している。