著者は数十年前、専門分野である医学にいまだ科学的学問体系がなく、医学よりレベルが低いと思っていた看護学に科学的学問体系があることがわかり大きな衝撃を受け、それ以来、科学的医学体系の創出を志している。ここ20年来の看護学、看護実践には目をみはるものがある。それは著者が学恩を受けた薄井坦子氏による科学的看護学体系の創出とさらなる深化・発展であるが、この学問的高みを理解できていない看護界の現状を知り、学恩に報いるためにも、医学に身を置く立場から、その学問的高みを看護の内部の方々にわかってもらえるように、『綜合看護』誌上に「看護学と医学を問う」と題して連載した。本書は、それをわかりやすくまとめたものである。