歯科用診療記録の記載内容に関する研究や実践は少なく、診療報酬請求に関する記録であって、決して診断と治療および臨床経過とその帰結の科学的記録ではない。歯科用POMRは、単に整理されたかつ論理的な診療記録であるばかりでなく、臨床医、看護師、その他のチーム医療スタッフ、それぞれの間で検討され、監査されるに適したシステムである。この記録は医療を行うものへの指導的な役割ももち、それによって患者さんのケアにもよくすることができる。歯科用POMRを考案し長年実践してきた著者が、経験を踏まえ、図写真を多く用いて分かりやすく、解説した。