平成22年度の診療報酬改定で「がん患者リハビリテーション料」が新設された。それを受けて,がんのリハを実施する施設が増加しつつあるが,わが国におけるがんのリハの歴史は浅く,教育体制は十分とはいえない。臨床のセラピストは,養成校でがんについてあまり教わらなかったにもかかわらず,がん患者のリハを担当しなければならないという状況である。本書はそのようなセラピスト向けに,がん患者のリハに役立つ必要十分な知識をわかりやすく解説している。必要なときに,その場で開いてすぐに現場で活用できる,実践向けのハンドブックである。また,亀田総合病院におけるがんのリハの実践例を豊富に紹介しており,これからがんのリハを始めようと考えている施設にも参考にしていただける内容である。