依然として心臓移植の実施数が微増に留まるなか、植込型人工心臓による移植完全代替治療、移植までのブリッジ使用がますます増えると予想される。また、従来心臓移植実施認定施設でしか保険使用できなかったこれら植込型補助人工心臓も、心臓移植にかかわらず補助人工心臓に習熟した全国の多くの施設で植込み手術が可能となり、実施施設も広がりをみせている。補助人工心臓装着治療に際しては、植込み後の創部の管理、社会生活復帰へ向けてのリハビリテーション、在宅安全管理など、理学療法士、臨床工学士、看護師の補助人工心臓治療への関わりが重要になってきている。本書は、医師だけではなく、関係する医療スタッフに向けて、自らが「その場」に立ったときに慌てることなく業務を遂行できる実践書である。