産科領域では,胎盤早期剥離や前置胎盤など,母子の生命にかかわる緊急手術を行うシチュエーションも少なくない。また婦人科領域でも急性腹症などの女性特有の救急を要する疾患がある。本書は,そのような産婦人科領域における救急に対する手技を手術を中心としてまとめたものである。産科救急では,産婦人科医師なら知っておきたい超緊急で行わなければならない帝王切開の手技や,さまざまな出血に対する対応,また母子の命を救う死戦期帝王切開術などの手技を取扱っている。婦人科救急では,下腹部痛の原因疾患を中心に外傷までを含めている。“手術のコツと注意点”を中心に,豊富な写真・イラストでわかりやすく解説しており,手術手技という側面からみた「産婦人科における救急」というテーマを幅広くカバーする1冊となっている。